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「数学のお勉強」
【SM 官能小説】

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第四章-2

 次の日、学校に行くと、泉美が一枚の紙を私に手渡してくれた。
「明日から一週間分のお前の服装の指定表だ。一週間ごとに渡すからね」
 トップス、ボトム、靴、下着、ネックレスやリボンなどの装飾品にいたるまで細かく指定されていた。普通の区立中学の校則よりもはるかに厳しい。しかも登校日だけでなく、土日の家での服装まで決められていた。
 ノーブラやノーパンの日も少なからずあった。しかも薄いブラウスやワンピースの日にかぎってノーブラ、ミニスカートの日にかぎってノーパンのことが多かった。
「当たり前じゃん。乳首を見てもらうためのノーブラ、マンコを見てもらうためのノーパンなんだからね。ノーブラに厚手のセーターを着ても意味ないし、ノーパンに厚いズボンを穿いても意味ないじゃん」
「それもそうですけど」
「そのショートボブ、キュートでかわいいよ。よく似合ってるよ」
「そうですか」
 初挑戦のショートボブも、泉美にそう言ってもらえるとまんざらでもなかった。
 それから私の服装は、泉美が言っていたとおり、一週間ごとにその週の分を細かく指定して、彼女が文書で私に命令した。もちろん私は忠実にそれを遵守した。
 六月十七日、金曜日、合唱部の練習のない日だったので、授業が終わって帰ろうとしていると、泉美が私に近づいて来た。
「今日はちょっとハードな数学のお勉強をするから、ついておいで」
「はい、泉美様」
 泉美は婁山関路駅の多機能トイレに私を連れて入った。
「彩香、ちょっとそこに四つ這いになりな」
 便器の横のスペースを指差して泉美が言う。
「何をなさるんですか」
「これだ」
 泉美はバッグから浣腸器を取り出した。
(まさか!)
「安心しな。今日はまだ排便させたりはしないよ。空気浣腸をして地下鉄二号線の電車に乗ってもらう。そして電車の車内で大きな音で屁をこくんだ。屁をこいた後も、こそこそと逃げたり、恥ずかしそうに他の車両に移ったりせずに、そこにそのまま平然と立って、乗客たちの嘲笑を浴びるんだ」
 聞いていて私は顔が引きつってきた。
「私は他人のふりで近くに乗っている。お前はドアの所に立って屁をこけ。そして私が下りた駅で、私について下りて来な。それまでは、乗客の注目を浴びながら平然と立っているんだ。もちろん私とは他人のふりで。いいわね」
 私はぶるぶると震えた。まだ十四歳の思春期の女の子が人前で平然と屁をこくだなんて。しかも二号線は上海の地下鉄の中で一番混雑する路線だ。しかし私はもはや泉美の命令に対して拒否は許されていなかった。
「わかりました」
 私は泉美に指示された場所に、両手と両膝をついて四つ這いになった。泉美は私のスカートのお尻を捲り上げた。その日は彼女の指示でノーパンの日だった。私の肛門にブスッと浣腸器が突き刺された。
「うっ、うう」
 一回、二回、三回、四回。そして五回目の浣腸。
「ううっ」
 合計浣腸器五本分の空気が入れられ、私の腸はパンパンに膨れ上がった。
「うう、苦しいです」
「まだ屁をこいちゃだめだよ。電車に乗ってからだ。このトイレを出てからはお前と私は他人のふりだよ。適当に距離を開けて、私について来て、私と同じ電車に乗りな」
「はい、わかりました」
 私たちは他人のふりでトイレを出た。そして浦東方面行きの電車に乗った。私は指示されたとおりドアの所に立った。泉美はそこから少し離れた所に他人のふりで立った。腸の苦痛とこれから屁をこくという恐怖感とで、私は自分がミニスカートにノーパンという恥ずかしい格好であることさえすっかり忘れていた。
婁山関路から中山公園、江蘇路と二駅を私は耐えた。お腹がぐるぐると鳴って屁が出そうになるのを、お尻を左右に動かしたり、肛門に力を入れたりしてなんとかとどめた。しかし次の静安寺駅に着く直前で、もう我慢できなくなり、
ブリッ、ブリブリッ、ブッ、ブスーッ!
ついに大きな音で屁をこき、強烈に臭い匂いが周囲に漂った。乗客全員の注目が私に集まる。くすくすと笑う声、ひそひそと話す声、中にはあからさまにけらけらと笑っている人もいた。
私はもう本当に恥ずかしくて、他の車両に移りたかったが、それは許されていない。顔を真っ赤にして下を向き、肩をわなわなと震わせながら、我慢してその場に立っていた。
静安寺を出て、次の南京西路でも、その次の人民広場でも、泉美は電車を下りてくれなかった。


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