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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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女、セックス-17

 辛そうな表情を浮かべている訳ではない。相変わらずふんわりとした微笑を見せている。しかしそれが痛々しく感じるのはミズキの境遇がそれだけその身に重くのしかかっていると言う事だろう。決して軽々しく言葉をかけてはいけない…、喜多はそう思った。
 「私ね、本当なら東京の有名大学に進学するはずだったの。昔から勉強が好きで、自分で言うのも何だけど、いつも成績は良かったの。でもそれまで築き上げてきた物が一瞬で全て消えちゃった…。だって今私がしてる事は別に学業が良くても悪くても関係ない仕事だもん。裸になって男の人の玩具になってればいいだけの仕事。何回玩具になっても慣れないよね、この仕事。毎晩部屋に帰ると哀しくなる。良くお客さんに何でこんな仕事してるの?って聞かれるけど、誰が好きでこんな仕事してるんだって叫びたくなる時がある。私だってこんな仕事したくない。したくないけど…お父さんとお母さんを助けたいの。どんな誹謗中傷受けても、私は何も悪くないお父さんとお母さんを早く助けたいの。その一心で私は毎日見知らぬ男達の快楽を満たすの。早くお金を溜めて…。」
そこで言葉が詰まるミズキ。下手な慰めは余計に彼女を傷付けると思い、止めた。
 ミズキはハッとしたような表情を浮かべて喜多に顔を向けた。
 「あ、ごめんなさい…。何言ってんだろ、私…。ついつい愚痴言っちゃって…。」
そんなミズキに喜多は無意識に言葉を口にした。
 「こんな俺から偉そうな事は言えないが…、早く借金を返して再びミズキがミズキでいられる生活を早く取り戻せる日が来るといいな…。」
ミズキの表情から一瞬微笑が消え、そして再び微笑が浮かぶ。それは喜多の言葉が下手な慰めではなく、まさに自分がそうなりたいといつも思っている言葉であったからだ。過去を清算して人生をやり直したいという気持ちが共有出来る相手を目の当たりにしたミズキは正直嬉しかった。
 「和典、ありがとう。私こそあなたに会えて良かった…。」
 「い、いや…こっちこそ…。」
ミズキに見つめられるとやはり照れてしまう。
 「消したい過去を清算して今日から再出発する和典を目標に、私…、頑張る。」
 「もっといいモンを目標にしろよ…」
頭を掻いた喜多を天使のような微笑で見つめていた。
 「そろそろ時間…」
 「もうそんな時間か…」
ミズキは喜多の手をすっと握る。
 「また指名してくれる…?」
 「あ、ああ…。」
 「本当…?」
 「ああ。」
 「絶対だよ?指名入るの、待ってるから…。」
ミズキは本当は喜多の電話番号を聞き、プライベートで会いたくて仕方がなかった。しかしこの仕事をしている自分ではなく、プライベートで喜多に会うのは借金を全て返し、本来の自分を取り戻した時に会いたいと思った。自分の痛みを理解してくれる人だと信じられたからだ。ミズキは立ち上がりドアに向かう。
 「和典…、また会いたいって言ったのは、指名が欲しいからじゃないからね?」
 「えっ…?」
そんな喜多にミズキは最高の笑顔を見せながら言った。
 「素の私を見せちゃったの…、内緒だからね♪」
そしてドアは閉められた。状況がうまく理解できずにポカンとしてた喜多。勘違いもしそうだったが、その勘違いを掻き消すかのように1人で笑った。
 「俺なんかに好意を寄せてくれる女なんて、いねーよな!アハハ!」
そう笑いながらもいつまでもミズキの事を頭に浮かばせていた。
 ここで話が終われば美しい話ではあるが、しかし喜多はミズキが体を拭いたタオルに興奮し、たまらずオナニーをしてしまった。
 「ミズキ〜、たまんなかったなぁ…」
性欲をスッキリさせるはずが、ますます悶々としてしまった。
 とは言え喜多はミズキによって、自分はもう2度とレイプを求める人間ではなくなったんだと言う確信を得た出所初日なのであった。


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