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ゆえとナオさんpart6
【同性愛♀ 官能小説】

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時をかける少女-2-1


女の子は、
お風呂から出て来て、また食べています。
よっぽどお腹が空いていたんでしょう。
ナオさんは警戒を解きません。
手に釘ナイフを持ったまま、キッチンのスツールに腰掛けています。
カウンターにもたくさん置いて有ります。

「名前は何て言うんですか?」
「『やえ』だ」
「いっぱしの口をきくけど、あんた幾つなのよ?」
「産まれたのは江戸時代の最初の頃だ」
「「「江戸時代⁉」」」

「えーっと、江戸幕府の開府が西暦1603年よね」
「400歳っ⁉」
「まぁ、そんなものだ」
「すげぇ…ババア…」
「歳を取らないんですか?」
「人の精を吸えばな」
「ひいっ!…ごめんなさい!…」
「ホラごらん!食べられちゃうわよ!危なくてしょうがない!」
ナオさんは、釘ナイフの先でやえさんを指し示します。

「命までは取らん。
良い気分にさせて、ちょっぴり精を吸わせて貰うだけだ。
ウィンウィンの関係だ」
「あんた、どこでそんな言葉覚えるのよ…」
「物心ついた時には、育ての母親の精を吸っていた。
その女は気が狂って死んでしまったがな」
「お気の毒です」
「それは人の持つ感情だ。私は気にしていない。
むしろ、人でないから400年を生きたのかもな。
人の世界は煩わしい」
「そうかもね」
何だか悪い人では無いようです。

「江戸時代の始めというと、算術の本が出ていたわね?」
「覚えているぞ、あれは流行ったからな。
ジンゴウキと言ったな?
育てた母親が商家の娘で、躾が良くてな。私にも学ばせた。
一緒に算額絵馬など見に行ったものだ。楽しそうに遺題を見ていたな」
「…んが」
普段あまり驚かないナオさんが、アングリです。

「ナオさん、ジンゴウキって何ですか?」
「…『塵劫記』は吉田光由が執筆した、江戸時代初期の数学の実用書よ。
一冊で、当時の日常生活に必要な算術全般を、ほぼ網羅できたから、
民衆の間でベストセラーになったのよ。
戦国時代が終わって、経済や文化が発展する、エキサイティングな時代だったのね」
「詳しいな?」
「専門だもの」
ナオさんなりに納得したようです。

「サンガクエマ?…なんぞ?…」
「絵馬は、
神社やお寺に願い事をするときや、叶ったときのお礼として奉納する、
馬の絵が描かれた木の板よ。

江戸時代の和算愛好家が、問題や解法を描いて、
神社や仏閣に額や絵馬として奉納した物が、算額絵馬ね。
遺題は宿題のことね。
日本人は昔から数学好きなのよ」

「絵馬を知らんのか?」
「今時の都会っ子は境内で遊ばないわね」
「信じてもらえたかな?」
「江戸時代生まれは本当みたいね。
塵劫記をリアルタイムで読んだ人と、
…人じゃないか。
話をするなんて、ちょっとしたタイムスリップね」
ナオさんなりに感動しているようです。

「今までどうやって生計立ててたの?」
「ああやって立っていると、いつの時代でも男が寄ってくる。
ちょっと見せてやれば、小遣いを貰える。
もしくは少々怖い目に会わせれば良い」
「な!?な!?何てことをしてるんですか!!
小さい女の子がそんなこと、絶対ダメです!許しません!
あーもう、男ってホンッとヤダ。ヤダヤダヤダー」

「そんなこと、現代では続かないわよ」
「その通り。とうとう行き倒れてしまった。
捨ててある物を漁る訳にもいかんしな。
人の少ない時代ならまだしも、半人半獣には生きにくい世の中だ」
「ご飯食べたら出て行くのよ」
「うむ」
「そんなぁ、かわいそうですよぅ」
「何言ってるの!こんな得体の知れないモノ!」
「アソコ見せたりするの、ダメですよぅ」
「私はあまり気にしないがな」
「絶対ダメですっっ!!」

「うーん…。
まぁ、人外にしては気心が人並みだけど…。
時代の生き証人だし…」
「せめて、体調が良くなるまで」
「うーん。
私達を食べたらダメよ。
ゆえは美味しい物を作ってくれるし、
美さきの身に危険が迫ると、相手は文字通りに消されるわよ。
土手うえで私達が消えたのは見たでしょ?」
「うむ、驚いた」
「素粒子レベルに分解されて、
そのままエネルギーに変換されて、宇宙の果てで光っちゃうんだから」
「ピカッ…」
「私は人に育てられておる。喰ったりはせん」
「どうだか」
「大丈夫ですよ。
プリンセス天功が、ホワイトタイガーを飼ってる動画がありましたから。
ご飯くれる人を食べたりしませんよ」
「ゆえに感謝しなさいよ」
「うむ、恩に着る」
「忍者は…居たのデスカ?…」


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