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デスティニーオンザトイレ
【ファンタジー 恋愛小説】

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デスティニーオンザトイレ-1

「ぁー・・・すっきりした」ようやく見つけた古ぼけた公園のトイレで用を足したオレは、入った時は気がつかなかったが、横の便所を一生懸命磨いているお婆さんを見つける。
「(へーやっぱりこう言う誰も使ってないトイレでも掃除しなきゃいけないんだ)」
そう思うと急にお婆さんに感心してしまい思わず「掃除、大変ですか?お婆さんは男子トイレに入るのには抵抗とかないんですか?」
と話し掛けてしまった。そして、オレに話し掛けられた対象が顔を上げた時、オレは寿命が縮まった。何故かって?それはお婆さんと思っていたそれは、お婆さんなんかじゃなく美少女、それも同じ高校に通う「香田絵梨(こうだえり)」だったからであった。
「私はお婆さんじゃない!だいたい、女の子が男子トイレに入るのに抵抗無い訳無いだろ!!!!って・・・お前前島健太(まえじまけんた)・・・?」
「気付くの遅ぇよ・・・しっかし何してるんだ・・・?」「ぇ?そりゃ、私はバイトを・・・」
「ば、バイト?お前おもいっきり校則違反じゃん」
そう、うちの高校はバイトに関してはとても校則が厳しく、中には退学になるものもいた、ま、他の校則は緩いのだが。
「ぅ・・・しまったぁ・・・口が滑ったじゃないかぁ・・・ぅう・・・友達にも内緒にしてたのに・・・」
こう香田が言った後オレの中で天才的な悪巧みを思いつく。
「先生とかにばらしちゃおっかなぁ〜」
「な、んな?そんな、前島卑怯だぞ!」
「んーならオレが今から言う条件を飲み込んでくれたら黙っててやるぜ?」
「な、なんだよ、もしかして私の体?あぁ、変態前島めぇ・・・」
「違うわ!!条件てのは・・・」
「条件・・・は何だよ・・・」「オレの彼女になれ!!」今思えばこの悪巧みでオレの人生が大きく変わるなんて誰も予想しなかったろう。
「は、はぁ?なんで私があんたの彼女になんなきゃいけないのよ!」
香田絵梨と言う女の子は所謂すべてが揃ってる子ってヤツで・・・頭は良いわ、スポーツできるわ、無茶苦茶可愛いわ・・・唯一問題なのは性格と口調がややきついくらい。
そんな女の子が顔も成績も中の下のオレをいきなり受け入れる訳はなかったみたいだ。
「いいのかなぁ?秀才香田が退学かぁ・・・あぁ残念なことで・・・」
「・・・ったよ」
「なんか言った?香田さん?」
「わかったよ、彼女になりゃいいんだろ?そんかわり後悔してもしんないからね!」
「OK!」
オレがそういった瞬間だった、オレと香田の指には互いに指輪が現れ、そこから薄い赤い糸で結ばれていた。
「ぁーあ、契約成立しちゃったじゃん・・・」
「どゆ意味・・・?」
「ん・・・ぇっと驚かないでね?簡単に言うと私の両親はその・・・天使なの。で、私は人間界に紛れて修業中なの。そして、両親は最低限3つ私に人間界での生活の上で破ったら死罪なルールをつけてきたの」
「どんな・・・ルール?」
「一つ目は20まで人間界で修業すること。2つ目は必ず両親が決めたアルバイトと高校を両立すること。そして三つ目が私の弱みを握った状態で私に愛の告白をした者を・・・夫とし、一生愛す・・・って感じ」
「・・・・」
絶句、とはまさにこれだろう。意味がわからなかったんだ、マジで。
「顔も本当の顔じゃないの?」
「いや、私は翼を隠してるだけだから素だけど・・・ぷっ、安心しろよ、もともと私は人間的には綺麗なんだからさ!!」
「わ、笑うなよ!んで、さ、オレはその・・・夫になっちまったんだろ?もしかして何か大変な事色々しなきゃいけねぇんじゃねぇのか?例えばオレも天使にならなきゃいけないとか・・・」
「・・・ぇーうん、色々大変な事あるけど・・・まぁ夫婦で乗り越えたら大丈夫、大丈夫。」
満面の笑みを浮かべる彼女を見ていると「この子が一生オレの妻なら別に良いや」と思ってしまったりする。
これからどんな事が待ってるやら・・・
何があったかってのはまた今度にしてくれ!なにせ便所で疲れたもんで・・・


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