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会社の備品
【OL/お姉さん 官能小説】

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新人歓迎会(前編)-8

■視点 岡田香澄

 社長の話す内容は、およそ理解のできるものではなかった。女性の人権を無視した、人間として見下げ果てた考えのものだ。

「ふ、ふざけ、なっ、そんなの、ひぁ!」

 水口さんから緩急をつけて与えられる責めは、私から反論の機会を奪っていた。最後まで言わせてもらえず、強烈な快楽が全身を駆け巡る。

 もう何度イったのか、自分では分からない。生まれて初めて感じた痺れるよう快感は、私を何度も何度もオーガズムへといざなう。

「ひぅん⁉︎も、もう、いや、んぅ!」

 私の中にあるローターが、弱くなったり強くなったりして刺激を与えてくる。挿入されたすぐは違和感しかなかったものなのに、振動が始まると、私のGスポットを的確に刺激していた。

 そして、何より強烈なのが、二本の電マだ。これまで感じたことのない快感が、全身を駆け巡る。指でするときとは違い、振動が激しいのだ。その振動が、たまに中のローターの振動と噛み合うと、目の前がチカチカするほどの快楽に襲われる。

「あ、や、だめ!き、きちゃう!いやっ、いやっ!……っっっ!」

 自然と全身に力が入ると、その直後に快楽の波が全身を駆け巡る。それと同時に力がすっと抜けていく。立っていることも辛く、両腕は上げたまま、頭を下に向ける。頭の中は真っ白になり、何も考えられない。

「も、もう、かいしゃ、や、やめ、る……。」

 なんとかそれだけを口にできた。

「いいのかな、やめちゃって。」

 それを聞いた社長は、覗き込むようにして私を見てきた。

「あ、あたり、ひぁん⁉︎……ちょ、と、とめ、ひぅ!」

 何言ってるんだろう、この人は。こんな状態になって、誰が勤めていたいと思うのか。

「自分のせいで台無しにした家庭のために、苦労かけっぱなしのお母さんに恩を返したいんでしょう?」

 な、なんでっ!なんで知ってるの⁉︎

 貧乏なことは同期に話した。でもそれ以上のこと、どうして貧乏になった話なんてしてない。ましてや、お母さんのことも一度だって、会社で口にしたことはない。

「事前に調べさせてもらったよ、岡田さんのこと。岡田さんが余計なことをしたせいで、家庭が貧乏になった。お母さんも、あんなに苦労することはなかっただろうに。」

「そ、それ、は……んぅっ!」

 社長の言葉が私の心を抉る。

「会社、やめてもいいけど、このご時世だ。こんなにいい給料の会社が、岡田さんみたいな高卒なんて雇ってくれないよ。それに、岡田さんが就職しようとする会社に、あることないこと触れ回ることだってできるんだ。」

「だっ、たら、警察に、ひぁん⁉︎」

「警察に言うかい?でも、そしたら、高卒で曰く付きの女の子なんて、ますます再就職できないよ。」

 最悪だった。逃げ道がどんどんと絶たれる。

「それに、就職して一ヶ月で退職なんて、なんて親不孝者なんだろうね。お母さんに心配かけたくないだろう?」

 その一言は、まさにトドメの一言だった。そうだ、私は何のために進学でなく就職を選んだのか。それはお母さんに少しでも早く楽になって欲しくて、親孝行がしたくて就職したんだ。なのに、ここで辞めてしまったら……。

 逃げられない。始めから私はこの状況を、受け入れる他なかったのだ。


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