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珍客商売〜堕ちた女武芸者〜
【歴史物 官能小説】

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慰めあう女-9

 後に大川了順は藤兵衛と碁を打ちながらこんなことを語った。
「椿殿とお京を治療していて…。その、女という生き物はつくづく業が深いと思い知らされたわい」
「ふふ…。お前さんがそこまで言うのだから、よほどのことだわえ」
 藤兵衛はぱちりと碁石を置きながら、にやりと笑った。
「わしが女陰(ほと)を診察しておると…どんどん濡れてくるのだよ。指を入れると中の淫肉がぐねぐねと動き、絡みついてなかなか離そうとせぬ。ようやく引き抜くと、血混じりの淫水をじゅくじゅくと吐き出す。しかも二人とも息を荒くして目が潤んできてな。押し殺した声で喘ぎながら、指の動きに合わせて腰まで振りおった!」
「ほう…! それで?」
 了順から聞ける思わぬ艶話に、藤兵衛はぐいっと身を乗り出す。
「正直『こやつら、わしを誘っておるのか?』と感じたよ…。いやはや、とんでもない牝どもじゃ」
「椿ちゃんとお京の隠し所を毎日手で触れたお主が本当に羨ましいぞい。わしなら指など使わず、舌で丁寧に穴の奥まで清めてやるのに…。わしは剣術使いではなく医者になれば良かった!」
 おどけつつも羨ましげな藤兵衛の言葉に了順はいやいや、という風に首を振って肩をすくめた。
「…鬼畜どもからあれほどの凌辱を受けてもなお男を欲しがる、淫肉のあさましさよ。もう少し若かったらわしの肉棒で直接懲らしめてやるんじゃがのう…。わしに出来るのは、指を入れる際にきりもみで中を擦ってやるとか、さりげなく肉鞘に親指を当てて突いてやることくらいじゃった」
 そう言って了順は目をつむった。
「しかもなぁ…。お京が椿殿に妙な遊びを教え込んだらしくてのう。毎晩のようにお互いの股座に顔を埋めて相舐めをしておったようじゃ。よく粗相をして布団を汚すので、下ばたらきの女が年端もいかぬ小娘じゃあるまいしと嘆いておったわ。いや、この話は沼田様には内緒じゃぞ…」
 あの二人はそんなことまでしておったのか! …と、藤兵衛は目を丸くした。
 了順の表情にはどこか悔しさのようなものが見えたが、何も言わなかった。
「…そうかもしれんのう。荒くれ男が寄ってたかって気も狂うほどに犯し抜いたが、あの二人は大きく口を開けたぼぼでその欲望を全て飲み干し、さらなる淫婦に化けてみせた、ということか…。まぁ、それが女という生き物の本性じゃろう。大二郎も岩松もあの好き者どもを満足させるのはいささか骨が折れようよ」
 藤兵衛もそう呟くと、しばし嘆息した。


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