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呪縛の檻
【その他 官能小説】

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檻からの解放-9

しかし書斎には誰もいなかった。数分探しても、一馬の姿は見当たらない。もしかしてお風呂でも入っているのかしら、と思い書斎から出たちょうどその時、書斎の中からパタンと扉を開けたのか、閉めたのか何か音が聞こえた。春花はすぐに書斎をノックして、扉を開けると、嬉しそうな一馬の姿が目に入った。

「一馬さんあなた、どこにいらっしゃったの?」

「何を言っているんだい春花、私はずっとこの部屋にいたよ。」

「嘘・・・?だって私今、この書斎であなたを探していたのよ。」

「あぁ、きっと向うの本棚の陰にいたから、気がつかなかったんだろう。」

「まあ、そうだったのね。あなたが消えたと思って焦ってしまったわ。」

「私は消えてなどいないよ。魔法使いじゃあるまいし。君は面白い事を考えるね。」

この時一馬にこう言われたが、後々考えても春花は腑に落ちなかった。
一馬があの時指した方の本棚は確かに陰になって、死角になっている。しかし気配に気がつかないわけはない。そう思って念入りに書斎の中を隅から隅まで調べていると、まるで隠されているように書斎の奥まった所に一つの扉を彼女は見つけた。

こんなところに扉・・・?そういえば、ここに嫁いだ時に地下室があると聞いたことがあったかしら、このお屋敷の財産が眠っているとか・・・?春花は義理の父から聞いた言葉を思い出したが、別の考えが彼女をよぎる。

もしかして、一馬さんは昨日この扉の向こうにいたのかしら?

ちょっとだけ覗いてみようかしら、と彼女の好奇心がうずく。ガチャリと古いドアノブを回すと、ギイっと小さな音をたてて扉が開いた。階段が地下に向かって続いている。
彼女は傍にあった懐中電灯を点け、地下への道を進みだした。
 地下に着くと、そこには部屋が数個あった。本当に地下室があったんだ。と春花は思った。しかしどこの部屋も鍵がかけられていて、入ることが出来なかった。しかし、最後に辿りついた奥の部屋だけは鍵がかけられておらず、扉が開いた。

扉の傍の電気をつけるとそこには、簡素なベッドが一台、古い机が一台、一つの大きな肘掛椅子、そして酒が入った棚だけが置いてあった。もしかして、一馬さんはここでお酒を飲みながら本を読んでいたのかしら?と春花は思い、何気なくベッドに近づいた。
すると、黒い長い髪の毛が一本、真っ白なシーツの上に落ちている事に気がつく。それにそのシーツは誰かが使ったのは一目瞭然だというように、皺がついていた。春花は髪の毛を摘まんだ。

黒く長い髪・・・それはこの家では絵茉だけであった。

春花の心がざわついた。まさか・・・そんな事あるはずない!


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