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呪縛の檻
【その他 官能小説】

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檻からの解放-8

 全てを手に入れた一馬はこの上なく至福の時を過ごしていた。しかし、絵茉との関係が密になるにつれて、春花との夜の生活はなくなっていった。春花にとって一馬は初恋の人であった。彼らは幼いころから決められていた許嫁の間柄で、春花が物心つく頃には一馬は立派な青年だったのだ。非の打ち所がない完璧な一馬に、春花の心は迷うことなく奪われた。この人の奥さんになれるなんて、なんて私は幸せ者なんだろう・・・結婚した頃はそう思っていた。

春花は一馬が自分に触れても来なくなったことに、段々と疑惑を持ち始める。以前は時間がないなりにも、食事に連れて行ってくれたりしたのに、気がつくと何か月も彼と二人でいる時間がなくなっていった。

自分の魅力が無くなってしまったからなのか、と高級エステにも通い習い事にも通うが、一馬は全く気がつかない。―――というよりも、すでに彼の心から春花はいなくなってしまったようだった。

春花は一馬が外に女が出来たのではないかと疑い、彼に内緒で探偵を雇った。

しかし、他に女と二人きりで会った様子も、痕跡も全くない。では、どうして一馬は自分を見てくれなくなったのか・・・と春花は惨めな気持ちで毎日自分を責めた。

そんなある日、春花は夫の秘密を知ってしまう。
一馬は毎日、寝る前は書斎で読書をするのが日課だった。その日も深夜まで一馬は寝室に戻って来なかった。もう何年も一馬とセックスをしていなかった。一年に一度でもいいから、抱いてもらわないとやりきれない・・・。そう思って春花は一馬の書斎へ向かったのだった。


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