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呪縛の檻
【その他 官能小説】

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檻からの解放-17

そんなある日、秀慈は絵茉が過ごす児童施設を訪れた。秀慈と暮らしていたころとは打って変わって、絵茉は生き生きと過ごしていた。

「久しぶり、絵茉。新しい学校はどうだい?」

「色々大変ですけど、初めて友達が出来ました。秀慈さんはどうですか?」

「うん。僕も何とかやっているかな。今までの生活とは違うけどね。」

「あの、本当にありがとうございました。秀慈さんのお蔭で私・・・普通の生活がおくれる様になったんです。」

「お礼なんていらないんだよ、絵茉。僕は当然の事をしただけなんだから。でも・・・僕はまた君が昔みたいに接してくれると嬉しい。」

そう言って秀慈は絵茉の手をそっと握った。絵茉は恥ずかしそうに秀慈の名前を呼ぶ。

「秀慈・・くん。」

秀慈は少しはにかんだ後、意を決して絵茉を見つめながら言った。

「絵茉、僕はこれからも一人の男として、君を守っていきたい。」

すると絵茉は困ったような顔をしてしまった。

「気持ちは嬉しいんですけど、私といたら秀慈君も不幸になってしまいます。私の両親は私のせいで死んでしまった。それにおじさまも私に出会わなければこんなことにならなかったと思います。だから、きっとあなたも私と一緒にいたら良くないことが起こってしまうと思うんです・・・。」

「そんなことはないよ!僕は・・・君に出会えて神様に感謝しているくらいだ!!僕は絶対不幸に何てならない。絵茉がいない方が僕にとって不幸なことだよ。」

絵茉から涙が次から次へと溢れ落ちる。

「僕は絵茉のことが好きだ。」

そう言って秀慈は絵茉を抱きよせる。
絵茉は神に秀慈と出会わせてくれたことに感謝しながら、曇りのない笑顔で彼の背中に両腕をまわし、「私も・・・」と囁きながら彼をきつく抱きしめた。

秋の終わりの木枯らしが二人の足元をひゅうっと吹き抜けたが、肌が触れあっている所から温かなぬくもりがお互いを包んでいた。


終わり



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