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呪縛の檻
【その他 官能小説】

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暴かれる真実-2

 秀慈は涙を拭き、ゆっくりと公園へと歩き出した。外はどんよりと曇っていて、今にも雨が降り出しそうだった。
東条に指定された公園で、秀慈はベンチに一人座り彼からの連絡を待っていた。曇り空の下、公園を散歩する者は秀慈の他、誰もいなかった。しばらくすると東条からの電話が鳴る。急いで秀慈の元に来てくれたのか、電話の向こうで息を切らしていた。二人は誰もいない公園でも万が一の場合を考えて、再び車の中で落ち合うことにした。

秀慈は彼の車を見つけ窓をノックすると反対側に回ってドアを開けた。

「―――すみません東条さん、急に電話しちゃって。」

「いや、俺はいいけどよ。大丈夫か?」

「はい・・・、いえ大丈夫じゃないです。もう家の中がグチャグチャで・・・。でもこんなこと雑誌記者の人に言っていいのか・・・でも東条さんしか相談できる相手がいなくて。」

「俺はゴシップ記事は書かない。」

「そうでしたね・・・。僕がこの話をしたら、昨日の父の話を全て教えてくれませんか?」

「わかったよ。約束する。」

そう言って秀慈は、絵茉と一馬の関係・母親の精神が病み絵茉を殺そうとしたことを打ち明けた。東条は相槌も撃たずに、黙って聞き入った。

「絵茉は父に支配されてしまっているんです。鳥かごの中の鳥みたいに出られないんです。どうにかして僕は絵茉を父の元から飛び立たせてあげたいんです。」

「―――それほどまで絵茉ちゃんに惚れてるのか?」

「え?」

秀慈の顔が一瞬で赤くなる。

「だってよ、もし俺が秀慈君の立場だったら未来の社長の座を捨てられないと思うぜ。このまま何もしなければ君は、あの雨宮グループのトップになれるんだよ。女の子だって選びたい放題だ。」

「でも!誰かの不幸を見て見ぬふりして、栄光を手にしたって幸せになるとは限らないじゃないですか!!・・・現に僕の母だってあんなにいつも笑って幸せそうにしていたのに、心の中じゃいつも絵茉を憎んでいた。」

「まぁな、それもわかるけどよ・・・。君は俺がこれからいう事を受け入れることができるか?」

「覚悟は出来ています。」

「本当に君の父、雨宮一馬の本来の顔を知りたいと思っているのか?」

「はい、もう絵茉の件で父の本性を見ました。」

「絵茉ちゃんをこれからも守っていく覚悟はあるのか?」

「もちろんです!!!」


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