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呪縛の檻
【その他 官能小説】

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動き始める運命-11

 会話が途切れたところでちょうどよく、授業が終了するチャイムが鳴り響いた。

「もう昼休みね。でもあなたは帰った方がいいわ。明日は土曜日だしゆっくり家で休むといいわ。今おうちに電話するわね。」

「いえ!大丈夫です。午後は授業を受けたいです。」

絵茉は家に帰りたくなかった。今日は一日中一馬が家に居る日だと知っているからだ。朝、彼の妻春花がそう言っていた。

「ダメよ!今日は勉強より健康第一よ。ちょっと待ってなさいね。」

そう言って保険医は絵茉の家に電話を掛けに保健室を出て行ってしまった。

 絵茉はため息をついてもう一度ベッドにゴロンと横になった。――所詮、私には居場所はないんだ。そう思って目をつむった時、保健室のドアをノックした音が聞こえたかと思うとガラっと勢いよく戸が開いた。

「あれ?先生、いないの?」

声の主はそのまま保健室に入ってきたようで、カーテンの隙間からちらっと覗く絵茉に声をかけてきた。

「絵茉!大丈夫?!」

絵茉がゆっくりと身体を起こすと、秀慈が駆け足で彼女の元へとやって来た。

「授業が始まる前に倒れたってさっき聞いたんだ!大丈夫?!どこか痛い?」

彼はまくしたてる様に早口で絵茉に問いかける。

「秀慈さん・・・。寝不足と貧血だそうです。これから家に帰って休みます。」

秀慈はいつもと変わらぬ口調で淡々と話す絵茉を見て遂にこらえきれなくなってしまい、彼女をそっと抱き寄せた。

「秀 慈さん・・? 」


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