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呪縛の檻
【その他 官能小説】

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動き始める運命-10

 絵茉が目覚めると彼女は保健室のベッドに寝かされていた。腕時計を見るとあと5分で昼休みになる時間だった。彼女はポケットから鏡を取り出して覗くがさっきよりは幾分顔色が良くなっただけであった。

絵茉が目を覚ました気配を感じ取った保健医がカーテンを開ける。この学校の保険医は中年のきびきびと働く女性だ。授業をさぼるために保健室を使おうと考える事の出来ない程、彼女は生徒に厳しく接するが、体調の悪い生徒や怪我をした生徒には瞬時に適切な対応をしてくれる、頼りになる存在であった。そして精神的なケアもできる彼女は、カウンセラーとしてもこの学校に籍を置いていた。

「五十嵐さん、大丈夫?」

「―――すみません。何時間も眠ってしまっていました。」

「疲れがたまっているようね。睡眠不足に貧血ってところかしら。昨日はよく眠れたの?」

「いいえ。」

首を振りながら絵茉が俯くと、保険医は優しく彼女に尋ねる。

「何か悩み事か心配事があるようね・・・。雨宮さんのご両親にも相談できない事かしら?ご家族に言いにくい事があるなら、私で良ければ相談に乗るわよ。」

優しい言葉をかけられて絵茉は顔を上げるが、すぐに一馬の顔が彼女の頭に思い浮かんでしまい、何も言えなくなってしまう。誰かに相談できるのならどんなに良かった事か・・・。
黙りこくる絵茉を察して保険医は口を開いた。

「あなたがもし、何か話したいことがあればいつでも私の所に来ていいからね。」

「・・・ありがとうございます。」

絵茉は小さく呟いた。


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