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ある感情の軌跡
【純愛 恋愛小説】

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ある感情の軌跡A-2

どうでもいぃけどスピード違反だ。交通違反で捕まるのもまずいんじゃないかなぁ?
と、そんなことを考えてる間に駅から離れ人気のない田んぼ畑?に入った。
俺の住んでる街は八王子より田舎って程度の田舎。一本しか電車の通らない駅からチョット離れるとタンボやら湖やら自然がいっぱいで、まぁなかなかいい街だと思う。

どうでもいぃけど片手運転だ。片手運転で警察に電話してる。交通違反で捕まるのもまずいんじゃないかなぁ?



『宮森…おめぇ怖ぇんだよ。』
電話を終えると同時に車を止めた山下先輩は言い出した
『何があったのか‥俺は結構修羅場知ってっから聞かない方がいいってんのも知ってる。だから何あったかなんか知らねぇけど、お前マジ鬼か悪魔みてぇだぞ?何目指してっか分かんねぇけどお前はヤクザにはなれねぇ、犯罪者にしかなれねぇ…ヒトの顔じゃねぇんだよリンチしてるときのお前は』

もちろん俺はヤクザなんて目指してない。むしろ何でもいい。
でも山下先輩、やっぱ喧嘩はあんま強くないけどたぶん本当に色々経験してきたんだろう。なんか熱い男だ。尊敬はしないけどツッコミ所多くて結構好きだ。
一通りの"悪さ"っていうのは山下先輩が教えてくれた。殺人とレイプと麻薬以外は全部やった。麻薬をやらないのは山下先輩のポリシーらしい。
イカれたのが嫌いなんだ山下先輩は。だから次に俺に何て言うのか予想できた。



『俺、金品強奪事件もう止めるわ。警察も最近うろついてるし、何より今日で俺がお前にマジでビビってるって気付いちまった。このままじゃ、お前は誰か殺す。たぶん、お前と会うのも最後だ。見てらんねぇ…』
その言葉を言った山下先輩のかわいそうなくらい悪い目付きは、最後に俺を哀れんでいた




その後、俺はあの湖まで送ってもらい山下先輩に別れを告げた。
そうして俺の唯一の刺激は終わった。




『あぁ…』
土手に寝そべる。

山下先輩、感謝します。おかげで重大なことに気付けた。



"いつか"じゃない

俺は"もう"…殺してるのかもしれないんだ。

綾香がもし、もし自殺したのなら…綾香を死に追い込んだのは俺だったのかもしれない。




タバコの煙が目にしみた、それでさえ悪魔になった俺の目からはもう涙さえ流れなくなっていた。

それが何故か悔しくて、燃えるタバコを痛く、強く握り締めた。



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ある感情の奇跡
第2話〜悪魔〜

次回、第3話〜太陽〜(予定)

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