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催眠権売買
【SF 官能小説】

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こくはく-1

その後は私がネタにされることはなくなった。
やっと平穏無事の日常、でもそもそもなんで鳥飼は私だけに挨拶したのだろう。
話したこともないのに。
後ろの隅を見ると苛められている鳥飼が私を睨んでいた。
最悪だ、厄日だ。
そんなこんなで授業も終わりみんなと帰ろうと周りをみたら浩二くんだけしかいなかった。
「あれ?みんなは?」
「ん? わかんねー」クラスの連中を見渡してもいつものメンバーがいない
「先帰ったのかな、ってか早!」
「違うんだ若月、その、ちょっと付き合ってくれねーかな」とばつの悪そうに浩二くんが言う。
これって、あれだよね
「うん、いいけど」ってどうしよう?
前を歩く背の高い浩二くんはいつものようなおしゃべりはしないで無言で歩いていた。
ヤバイ、とうとう来た、どうしよう、日村先輩をあきらめるか。
最近ちょいちょい浩二くんと付き合えばいいじゃんとサエやチーに言われるので意識はしてたんだけど、正直どっちでもいい、強くて私には優しい浩二くんが合ってるのかも知れない。
恋愛は経験だよとユキねえも言ってることだし、
これは決めるしかないよね。
浩二くんが学校の空き教室に入っていった。
「ここ、空いてたんだ」と言ったが声が変になってた。
浩二くんは窓際に立ち私に振り返ると、
「あ、あのさぁー若月とは友達で楽しくて、男と女の友情とか信じてて俺たち6人学校出ても親友でいられると思っていたんだ、でも最近の若月を見ていたら何ていうんだろう、すごく女の子らしくてさ、見てると可愛いんだよね、話も合うし二人で出かけても違和感ないっつかー」
浩二くんは頭を掻き、あーーっと言うと、
「俺だらだらと何話してんだろ、正直にに言うわ、若月、お前が好きだ、付き合ってくれ」
あー言われちゃった。どうしよう、浩二なら一番仲がいいのは分かってる。
「あ、あの」
浩二は手の平を私に向けると
「あっと、今答えなくてもいい、あとで返事してくれればいいから、少し考えてみてくれねーか」
と言ってきた。
でも私の答えは決まってる。OKだ。
浩二と付き合うんだ。
「私、決まっているの今返事してもいい?」
「そうだよな、即決なのは若月らしい、どっちでも受け取るよ教えてくれ」

私は浩二と二人駅に向かっていた。
あれ?何?なんでここにいるの?
「浩二、返事なんだけど」と聞くと、浩二くんは手の平を出して
「大丈夫だ若月、お前に好きな人がいることは知ってた、ダメ元で言っただけだ、できることならこのまま友達でいさせてくれよ」
えーーー振ってるし、どうなってるの!
「ちょっと違うんだけど」
「いや、ごめん、あそこまで言われると正直凹むわ、でも若月の本音が聞けて良かったよ」
「違うって、私つき……」

あれ?駅のホームに一人で立っていた。
浩二はどこに行ったのかな?
ダメだ思い出せない、思い出せないけど、なんで浩二と付き合おうと思ったんだっけ?
そうだよね、友達から彼氏なんてありえないよ、そもそも男として見ていないもん。
でも友達として浩二を傷つけちゃったかも、明日ちゃんと話そう
携帯を見るとみんなから残念のメールが届いていた。
みんな知っていたんだ、とりあえず真面目に返信したら、気持ち悪いぐらいみんな納得してくれた。
浩二も駅で別れたけど、明日からはいつもどおり友達でいてくれとお願いされた。
危なく友情にヒビが入るところだった。
優しい浩二を振るなんて私ってダメな女だよね。
家が見えてきた。
そもそも彼氏がいるのに付き合えるわけない。
なに考えてるんだろう私
私は家につき玄関の扉を開けた。
「ただいまー」
玄関に男の学生靴がある。鳥飼くん先に帰ってたんだ。
廊下をとおりリビングに行くと家族がいた。
「ただいまぁ」「おかえり」「おかえりなさい」「おかえり」
見ればTVの前のソファーで鳥飼くんと美久がHしていた。


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