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催眠権売買
【SF 官能小説】

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めざめ-1

トラックの音。
人の声。
近くでスポーツしてる声。
眠い……
でもここは私の部屋ではない。
目をゆっくり開けた。
薄暗い部屋、プレハブの天井、汗の匂い。
私が寝ている布団は固く、目の粗い布だがしっかりしている。
手を横に動かすと、布団の横に平な紐が輪っかになっていた。
これは体操のマットレス。輪っかは持つ所だ。
寝ている頭の上を見ると、高くそびえ立つ跳び箱の黒い数字が目に入った。
右の窓には道具で遮られているけど明かりが漏れている。
ここは体育用具室のようだ。
なぜ、こんな所に寝ているんだろう?
疑問がわいて、嫌な予感がするけどそれより
眠い……とにかく眠い……
でも寝てはいけない。
私は窓明かりで眠気をごまかし、手をついて起き上がる。
重い体を起こすと、かけていた布が落ちた。
いや、布では無い私の制服だ。
制服が落ちたとゆうことは、
とっさに私は自分の姿を見て驚いた、裸だった。
かぶせてあるスカートをどけると下着すらつけていない全裸だった。
「なに、これ?」
気づけば胸と股、口の中がネバネバして痛い。
股に手をやるとヌルヌルした白い液体がついている。
なんかとんでもない事になってる。
普段ならこの状況を見れば発狂しそうだけど、
ものすごく眠いためか、他人の体を見ているようだ。
「私、初めてだったのに血は出ないんだ」
と、重要な事態を把握していないことに少し苛立ちを感じる。
子供出来たら誰が責任とるんだろうとか、
この状況は警察にいうのか?先生に言うのか?
その前に現場保存するべきか?服は着たほうがいいのか?
中から出てくる精液はDNA鑑定するなら取っておいたほうがいいのか?
など、想定していない事態に何をすべきか迷っていた。
とりあえず、先生を呼ぶにしても学校の中を通る必要がある。
裸のまま歩くわけにはいかない。
それに部活の人達が入ってくる可能性だってある。
「とにかく服を着よう」
近くに散乱しているカバンからティッシュを取出し、精子を拭き取り、
見当たらない下着を後回しにしてスカートを履いた。
ブラは跳び箱の上にあり、制服を着た。
パンツだけが見当たらない。
跳び箱の裏やマットレスの下を探したけど見当たらなかった。
「今日は何色履いていただろう?」
気にせず履いてきたので思い出せない。
誰かに拾われたら最悪なことだろうけど、
たぶん私を犯した人が持って帰ったとかんがえるのが一番妥当だと思う。
「さいあくだわ」
確か最後に会ったのはクラスメイトの……誰だっけ?
あれ?名前も顔も思い出せない。
毎日会っているクラスメイトなのにそこだけ黒く塗りつぶされているようだ。
誰だ?
少なからず今の状況はその人が関係してるはずだ。
なんで一緒にいたんだろう、なんでここに来たんだろう?
肝心なことが分からない。
ボサボサの髪の毛をかきあげて、窓明かりを見ていたら涙が出てきた。
いつの間にかドアの近くで男の声がした。
私は慌てて何か隠す物はないか、隠すものってなんだと思い右往左往していると、
ドアが開く。
逆光で一瞬誰だか分からなかったが、声を聞いて分かった。
「あ、いたいた若月」
間の伸びた少し苛立つ声は、うちのクラスの鳥飼だ。
細くて気持ち悪く、苛立つ声が災いして皆にいじめられている奴だ。
同じクラスだけど、こいつは違うと直感で分かる。
なぜなら話しかけられても相手にしないからだ。
こいつがスポーツ系の部活にいるなんて知らなかった。
「ここで何していたんだよ若月」
よりにもよってこんな最悪な状況の後で鳥飼にあうなんて、ついていない。
こいつに今の説明したらクラス中に言いそうだ。
しかも、なんで半笑いなんだよ気持ち悪いと思いつつも
「何もしてないわよ、それより急いでいるの、そこを通して」
扉を抑えている手を触りたくないので困っていたら、
「急いでいるんだ、何か予定あるの?」と聞いてきた。
「あなたには関係ないでしょ」
「そんなこと言わないで話してみなよ」
「なに?しつこい、そこをどいてよ」私は苛立っているのよ気づきなさいよ。
鳥飼を睨みつけると鳥飼がなにか言った。
でも何を言っているかわからない。
鳥飼の動いている口から目が離せなくなる。
こんな光景を何度か見たことがある。
でも、思い出せない、それに
鳥飼のくせに言葉が気持ちいい。


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