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真田拾誘翅(さなだじゅうゆうし)
【歴史物 官能小説】

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-3

 次の夜。高坂八魔多は碧玉と同衾した。
狐狸婆の言葉通り、色気の権化とでも言える女だった。

「伊賀者の陰の頭領、高坂八魔多様。お会いできて光栄でございます」

喋(しゃべ)りも如才なかった。そして、裸に剥くと『なるほど、浅野幸長が虜(とりこ)になったのもむべなるかな』と思わせる上玉であった。

 八魔多はまず鼻で碧玉を確認した。髪の匂いを嗅ぎ、脇の下に顔を埋めて匂いを確かめた。毛髪からも脇毛からも薫(た)きこめた香を微かに感じた。

『さすがに、地女(素人)とは違うな』

うなずいた八魔多は、次に指で碧玉を知ろうとした。ずぶずぶと指を呑み込むだらしない肌ではなかった。柔らかさと張りを兼ね備えており、表面はあくまでも滑らかだった。

『惜しむらくは、目尻にわずかな小皺があるところか。……しかしそれは、桃の実に微かに付いた指のへこみのようなもの』

得心した八魔多は、続いて唇と舌で碧玉を味わった。乳首は隆起して弾力があり、秘唇は厚ぼったく肉感的だった。顔を覗かせた愛液を舌で掬い取ると、貝の風味がどこかにあった。

 こうして、碧玉をある程度認知した八魔多は、本格的に相手を愛撫し始めた。
 指で女の勘所を刺激し、舌で女の突起(乳首・陰核)に悦びを与えた。いっぽう、碧玉は手と口で八魔多の一物に奉仕した。
 そして、女体がすっかりほぐれ、男の陽物に芯が通ると、二人の身体は重なり、湿った凹みに滾(たぎ)った出っ張りが埋没した。

「……ああああ!」

「男」が入ってきた時、声が出てしまったのは破瓜の時以来だ、と碧玉は思った。それほどに存在感のある八魔多の一物だった。硬さ、量感とも十二分にあり、亀頭冠の張りも申し分なかった。特筆すべきは亀頭の後方へ環状に埋め込まれた真珠の感触だった。

『八魔多は亀頭が二つある。せいぜい気をつけるんだね。ひひひひひ……』

と笑っていた狐狸婆の言葉の意味を今知った碧玉だった。

 八魔多の抽送は急かず焦らず、ゆったりしたものだった。しかし、桁外れの大きさと「二重亀頭」の効用で、碧玉の眉間には、早くも悦びの小皺が寄っていた。口角も淫らに上がってしまっている。
 魔羅の味が濃かった。「美味い魔羅」とはこれのことだ、と碧玉は得心した。

「あああ〜〜〜〜〜。……むううう〜〜〜〜ん」

浅野幸長はじめ、これまで相手にした男には幾分意識して嬌声を上げていた碧玉。だが、今夜は違っていた。思わず声が出てしまうのだ。それも、鼻から出す甲高いものではなく、腹の底から湧き出るような……。

 八魔多は、まったりと腰を動かしながら女の反応を確かめていた。これまでも、女は皆、己の大魔羅で喜悦に顔をゆがめ、肌を朱に染めたが、「二段亀頭」にしてみると、女の高まりが早かった。「ああ、いい〜〜」と悶えるようになるのも早かった。そして、

「……ああっ! だめっ! い、…………逝くっ!!」

死後硬直ならぬ、束の間の甘い死の硬直を示す女体。八魔多はこの、絶頂時の女の力み、時には痙攣を伴う五体の緊張が好きだった。魔羅を食い締める女陰のひくつきが好物だった。
 そして、硬直の後に弛緩した女体、その股間めがけて、萎えることを知らぬ陽物をまた突き込む。
 押して、引く。また押しては引く。肉竿すべてを埋没させ、亀頭が半分覗くまで抜いてみる。それを繰り返していると、女はまた甘く鳴き始める。

『碧玉は、特上に限りなく近い、松の格の女体だな。この際「松の女陰」を存分に楽しませてもらうとするぜ』

八魔多は腰の振りをやや速め、碧玉からねっとりとした喘ぎを引き出した……。


 その頃、真田大助は、ねっとりとした膣襞の感触を男根に覚えていた。
 十一歳になった大助は傀儡芸の手伝いをすることなく、日々、武芸の修練に励んでいた。身体も精通を迎え、立派な大人の仲間入りを果たしていた。が、射精出来るようになる前から、じつは大助は女体を知っていた。
 童貞を失った相手は、今、自分の上になって交情している沙笑。仲間内では絹隠れの沙笑と呼ばれる九度山一の「男殺し」だった。十八歳になっていた沙笑の美しさには誰もが振り向き、端正な顔立ちながら好色の本性を淡く滲ませた美貌、着物越しにも分かる豊かな胸が男どもを虜にした。
 十歳だった大助も、沙笑を見ては頬を赤らめていたが、そんな大助の寝所に押し入り、未発達な精巣ながら勃起することは出来る一物に刺激を加え、童貞を奪ったのが「絹隠れ」の異名を持つ十七歳だった。
 それ以来、沙笑は時折、大助の閨(ねや)に忍び込んでは交情を重ねていた。
 女体を知ってから二十と八度目の夜、「あ、大助、真の男になったよ」と沙笑が囁き、女陰から引き抜いた男根が愛液の他に精液を纏っていたことを告げられた真田の若武者であった。


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