投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

真田拾誘翅(さなだじゅうゆうし)
【歴史物 官能小説】

真田拾誘翅(さなだじゅうゆうし)の最初へ 真田拾誘翅(さなだじゅうゆうし) 30 真田拾誘翅(さなだじゅうゆうし) 32 真田拾誘翅(さなだじゅうゆうし)の最後へ

-3

 くせ者は葬る、ということも考えられたが、徳川方の使う伊賀者、その新たな陣容が分かるかもしれぬと、幸村は「責めること」を命じた。といっても、水責め・木馬責め・塩責めなどの苦痛に訴えるものではなく、「甚だしい快楽」を与えてのち口を割らせるというものだった。これは敵方の高坂八魔多も用いた手段で、くせ者が女人の場合に有効な責めであった。

「責めは誰が行う? 鎌之助、おぬしがやるか?」

幸村の問いに、鎌之助が返答を迷っていると、千夜が「恐れながら……」と口を挟んだ。

「女人の快楽(けらく)責めには、鎌之助どのの妹御、由莉が適任かと存じます」

「なに? 由莉だと?」

幸村、鎌之助、同時に声を上げた。

「女の身体は女が一番知っております。私が責めてもいいのですが、よい機会です。由莉にこの女を籠絡させてみましょう」

「千夜どの。なぜに由莉なのじゃ?」

「それは鎌之助どの。由莉は女人が好きですから」

「女人が好き、だと?」

「兄である貴男は存じ上げないかもしれませんが、妹御の女好きはけっこう知られております」

「……なんと」

「好きこそものの上手なれ。由莉にくせ者の口を割らせてみましょう。いかがです? 殿」

幸村は、しばし考え、鎌之助の顔色も窺っていたが、千夜の言に一理あると思い至り、結局、由莉に任せてみることとなった。


 責めは翌日、早々に行われた。
 突然の呼び出しで、千夜から事の成り行きを聞かされた由莉は面食らっていたが、責めの部屋へと入って行く時には、その顔はすでに上気していた。

『隠れてこっそりではなく、殿のお墨付きの上で、思う存分、女を責めることができる。この際だから、こんなことも、あんなこともしてみよう……』

同性好きの由莉の胸中は、すっかり淫蕩な思いで満たされていた。

 女の身体は女が一番知っていると千夜が言ったように、由莉は焦らず、じっくりと責めに取りかかった。
 猿ぐつわをかまされ、手首と足首を縛られて転がっている紅玉の裸体。それに優しく触れ、何やら微かに語りかけながら、緊張を解いてゆく。
 掌を羽と化して髪を撫で、唇を真綿に変じて肌に押しつける。
 指は楊柳の優しさで首筋をなぞり、舌は蛞蝓(なめくじ)の揺蕩(たゆたい)で耳を這う。
 十六歳の娘とは思えぬ、練れた責め方だった。

「あんた、くノ一らしい引き締まった身体をしているねえ。乳だってほら……」由莉の手が紅玉の乳房を揉む。「柔らかいだけじゃない。張りがある」

 揉まれた乳房の先端の木苺に、由莉の舌が当たる。そして、じっくりと、あくまでもじっくりと舐め上げる。

 紅玉は敵に、しかも同性に愛撫されることに身震いを覚えていたが、嫌悪はやがて違和感へと薄らぎ、乳首に生じた甘やかな感じが乳房全体に広がる頃には、違和感も消え、快楽に身を任せてもいいような、そんな気持ちさえ芽生えていた。

「あんた、顔だって綺麗じゃないか。猿ぐつわが痛々しいね。取ってあげよう」

猿ぐつわを取ると舌を噛んで自決するおそれがあったが、由莉はそこまで考えておらず、口の戒めを解いてやり、新鮮な空気に触れた唇に己が唇をそっと重ねた。
 この場合、それが功を奏した。紅玉には自分でも気づかない同性愛の下地があったようで、由莉の接吻に一旦は顔を背けたが、しつこく迫られると、ついには受け入れた。そうして口吸いを受けていると、やがて、目がとろんとしてきた。

 由莉が責めの部屋に入ってから四半刻(約30分)以上過ぎた。
 くぐもった嬌声が部屋から漏れてきた。

「ほうら、もう乳首がピンピンだねえ。……おさね(陰核)だってこんなに勃ってる。そろそろ、本格的に攻めてほしいだろう?」

紅玉の足首の戒めは解かれ、大股開きになっていた。その股間に由莉の顔が近づく。
 舌が大陰唇をなぞり、小陰唇をねぶり、膣口を優しくえぐる。
 すぼめた唇が肉芽を吸い、指が会陰を押し、別の指が肛門をくすぐる。
 やがて、猫が水を飲む時のような音がし始め、広げられた女陰に由莉の舌が躍る。

「んんん〜〜〜〜〜〜…………。はああ〜〜〜〜〜〜…………」

快感に紅玉の身がよじれる。そして、由莉の舌が陰核を集中的に刺激すると、紅玉の身体が強張り、尻が持ち上がり、やがて、

「っあああああっ……!」

強く震えて逝ってしまった。


「気持ちよかったかい? でも、おさねでの逝きは、あっさりとした逝きだよねえ。……今度は奥で、こってりとした逝きを味わわせてあげるよ」

由莉は中指を紅玉の女陰に浅く挿入した。そして、膣の上側の少しコリッとなった所を、指の腹でグウーッと押し込む。それをしつこく繰り返していると、紅玉からねっとりとした喘ぎ声が漏れ始め、膣口からもねっとりとした白い汁が溢れ出した。

「いいだろう。……女はここを押されると気持ちよくてたまらなくなるからねえ」

由莉の指は気長に同じ調子で動いていたが、紅玉の興奮の度合いは見る見るうちに高まっていった。
 背が反り、腰が浮き、縛られた手首がブルブル震え、

「だめ! 逝くっ!!」

甲高く吠え、膣口が由莉の指を間欠的に食い締めた。

「気持ちよかったねえ。……もっと欲しいだろう。いいよ。あたいの指、たんと味わいなよ」

由莉の中指による刺激は延々繰り返され、紅玉は何度も絶頂に達した。

「よかっただろう。…………でもねえ、女の悦びの醍醐味は、もっと奥にあるんだよ」

由莉は中指を思い切り深く差し込み、子宮口の周りを刺激し始めた。


真田拾誘翅(さなだじゅうゆうし)の最初へ 真田拾誘翅(さなだじゅうゆうし) 30 真田拾誘翅(さなだじゅうゆうし) 32 真田拾誘翅(さなだじゅうゆうし)の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前