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真田拾誘翅(さなだじゅうゆうし)
【歴史物 官能小説】

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 一度出して元気を失いかけた男根へ新たな刺激が加わり、役人はまた春機をもよおす。魔羅に芯が通る。それとばかりに伊代の女陰が覆いかぶさり、舌なめずりしながら肉竿を呑み込んでゆく。

「うーん。やっぱりいい魔羅だ。一発出したから今度は長持ちするだろう?」

伊代の、十三歳にしては貫禄のある尻が男の腰の上で盛んに振られる。
 先ほどの姉の秘壺とは似て非なる襞の具合、締まり具合を魔羅に感じ、役人は鼻の穴を膨らませる。いささか品のない少女たちではあるが、若さゆえの肌の張りが素晴らしかった。少々きつい顔立ちではあるが、今まで味わったことのない躍動感ある女陰の締め付けに心奪われた。
 そうして、一度目に比べれば少々長持ちはしたものの、伊代の早腰によって役人は二度目の吐精。

「今度はまたあたしだね。ほれ、役人、頑張れ頑張れ」

妹の身体を押しのけ、稀代が張りを失った魔羅を手でしごく。さすがに二度も精を漏らしては硬くなるのも遅かったが、十四歳にしてすでに練度の上がっていた指遣いにより、役人の分身はまたもやそそり立つ。

「さあ、今度はあんたが上になって攻めておくれ」

仰向けに寝て股を開く。役人が覆いかぶさり魔羅を挿入すると、太い二の腕も露わに稀代が下から羽交い締め。弾力のある肉布団の上で男はせっせと腰を振る。
 手持ち無沙汰な伊代は男の後ろに回り込み、会陰のあたりを指でツンツンする。

「んお!?」

珍奇な刺激に魔羅が活力を帯び、役人の抜き差しが本格的になる。
 この頃には稀代もだいぶ気持ちよくなってきて、よがり声を上げたりする。場慣れした感じの娘だが、熟女の嬌声とは違い、乙女の香りをどこかに残した甲高いよがり声なので、男は焚きつけられ、魔羅の抽送に力が籠もる。
 かくして、稀代を高ぶらせた上で三度目の射精に至った役人は、「もう満足」という顔で地べたに横になった。
 ところがである。伊代が頬を膨らませて男に迫った。

「あたい、まだそれほど気持ちよくなってない」

「な、なんだってえ?」

怯(ひる)む役人に伊代は艶然と微笑みかけた。

「もうひと踏ん張りしておくれ。ね? 男だろ?」

「いや、ちょっと待て」

「待たない!」

哀れ、役人は伊代にのしかかられ、三度も吐精して疲労困憊の男根を執拗に舐(ねぶ)られ、それでも勃たないので肛門に指を差し込まれ、内側から前立腺を刺激されて、ようやく、ヨ…ロ…リ……と持ち上がったところで四度目の交合に持ち込まれた。
 何とか勃ったものの中折れしそうになる男根を、秘壺は巧妙に絞め上げ督励し、伊代の甘い嬌声が切ない喘ぎになるまで付き合わされ、四発目の吐精(煙がポフッっと上がった程度)に辿り着いた頃には、男は気息奄々、一気に頬の肉がそげ落ちた感じになっていた。

「おい、お役人」稀代が虚ろな目の男に言った。「さっきの『上田合戦』のことは上に言うんじゃねえぞ。さもないと、また、おまえを襲って、今度は痩せ細って死ぬまでまぐわい倒してやるからな!」

役人は青ざめ、唇を震わせ、他言しないことを誓った。

 下っ端役人が「上田合戦」の演目を上役に報告しなくとも、興行を見た民衆の噂がやがて幕吏の耳に届き、真田傀儡一座が目を付けられることになるのだが、それでも稀代たちの働きは「時間稼ぎ」としてはある程度有効だった。いよいよ、けしからぬ一座と目されると、真田の少女らは荷駄をまとめて姿を暗まし、離れた土地でまた興行を行うのであった。
 こうして真田の古(いにしえ)の活躍は各地で広まり、やがて、大坂城の面々も心に掛けるところとなるのであるが、それはまだ先の話である。


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