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あなた〜you〜
【女性向け 官能小説】

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Thank you.-2


3限が終わって、待ち合わせして
「何かお土産を」という乃恵に
「誰もいないから気を使うな」といってウチに向かった。

駅を降りて、目の前の坂を登り
右に折れた所でやっと家に着く。
「大きなお家ですねぇ」
と乃恵がつぶやきながら靴をそろえた。

「暑いな。今クーラー入れるから」
と、自分の部屋に入れ、クーラーのスイッチを入れて
冷たい飲み物を取りに行った。

坂を登ってきて、背中に汗が滴り落ちてる。

冷たい麦茶を持ってきて
本棚からドイツ語の参考書を探した。

「ほら。これやるから」
と手渡した参考書を持って乃恵が
「綺麗にしているんですね」
と部屋を見回す。

すっきりとした部屋を見てそんなことを言うから。

「俺、物欲もないからな」
と苦笑いした。

特にこれが欲しい、あれが欲しいという感情もないから
部屋がやけにすっきりしている。

「そうなんですか・・・」

「あの・・・」
乃恵が言いにくそうに話を切り出す。
「1つ聞いてもいいですか?」
「なに?」

「なんで愛を信じられないのでしょう?」
「・・・・」

「乃恵。愛を信じるって、幸せな事だと思う」
「・・・・」

「愛に裏切らされた事がないから信じていると素直に言えるんだと思う」
「・・・・」

「俺は、愛を信じてない」






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