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プラネタリウム
【ラブコメ 官能小説】

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L-6

5月30日。
夜勤明けからの休みの日でたっぷり眠った。
11:15の新幹線に乗り遅れたら終わりだ…と思いながら起きて速攻で準備を済ませて駅へ向かう。
東京駅でみんなと待ち合わせて関西行きの新幹線に乗る。
「初っ端から大阪ってヤバいだろ」
大介は寝ぼけ眼を擦りながら言った。
「しょーがないよ。やらせてもらえるだけありがたいって」
「まぁな」
そんな話をしていると、後ろの席から楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
「わーー!すげぇ!俺のもやって!」
「洋平は下手くそなんだよ。ホラ、こっち…」
スマホを見ながら海斗が何か言っている。
「何してんの、お前ら」
「ゲームゲーム!」
洋平が陽向に海斗のスマホを渡す。
「え!なにこれ!どーやんの?!」
大阪に着くまで終始ゲームで盛り上がり、楽しい時間を過ごした。
それはライブのMCでも話した。
大阪の人はみんなノリが良くて、そんなくだらない話でも笑ってくれた。
「せやなー!」
と言うとドカッと笑いが起こるところもたまらなく好きだ。
ライブの後は一緒に対バンした仲間とも写真を撮り、お店に飾ってもらった。
「めちゃええやん!またやりたいしー!なぁ、大阪また来てー!」
対バンした子にそう言われ、嬉しくなる。
連絡先まで交換したほどだ。
21時の新幹線に乗り東京駅に着いたのが23時近く。
そして、家に着いたのは1時過ぎだ。
陽向は誰もいない部屋の鍵を閉めてため息をついた。
明日は日勤だ……夜勤ならまだ昼過ぎに起きればいいが、日勤となると、準備その他もろもろ含んで頑張っても4時間しか寝れない。
でも、やらなきゃ…。
陽向は洗濯物をカゴにぶち込み、そのままソファーに横たわった。

6時。
セットしていたアラームが鳴る。
目まぐるしかった昨日の時が、夢だったんじゃないかと思うくらい爽快な目覚めだ。
きっと、レム睡眠だかノンレム睡眠だかに合致したのだと思う。
意気揚々と仕事に向かう。
そして、無難に仕事をこなし、遠征にも慣れて来た6月の後半。
天敵とも言える梅雨の時期だ。
しかし体調はすこぶる良く、だいぶこのスパンにも慣れてきた。
今日、6月27日は北海道でライブだ。
2連休をとったので明日も休み。
昼前に空港に到着すると、洋平が「ういっすー!」と笑いながら現れた。
大介と海斗も到着し、カフェでのんびりした後搭乗した。
空港で買ったお弁当を食べながら隣に座る大介と今日の話をする。
「なんか俺らちょー売れっ子バンドなわけじゃねーのに、こんなの夢みたいだよな」
「あはは、確かに。しかも大体こうなったらすごく天狗になるはずだよね」
「例えば?」
「ツイッターとかに『今日は北海道でライブです!』とかって呟きまくるとか」
陽向の例えに大介が爆笑した。
「たしかにー!そーゆーやついるよな!」
このメンバーはびっくりするほどSNSを使わない。
ほとんど投稿しないし見る専門だ。
時代に乗り遅れてる感満載だ。
「陽向、最近なんか投稿したっけ?」
「んー…。あ、就職した時にお母さんからプレゼントもらって…そんぐらい。そーいえば、洋ちゃんがこの前エフェクターボード載せてたね」
「この前ってそれちょー前じゃん」
2人で話していると、洋平が「俺の悪口ー?!」と言って前の席から顔を覗かせた。
そこからまた4人でぎゃあぎゃあ笑いながら話す。
旭川空港に着いた時、洋平が「じゃあ一発やっちゃうー?」と言ってiPhoneのインカメラを向けてきた。
各々変顔で写っていたのでまた爆笑。
「俺様が半年の時を経てツイッターに投稿しとく」
「ツイッター俺もやろっかなー」
「え、かいくんやってなかったっけ?!」
「やってないよ」
「かなり話に溶け込んでたからやってるのかと思ってた」
やっぱり、現代っ子じゃないな…うちら。



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