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調教学園物語
【調教 官能小説】

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〜 金曜日・回想 〜-1

〜 29番の金曜日 ・ 回想 〜


「ひっ」

 不意に風が首筋をなで、私は咄嗟に身をかがめた。 痛いくらいに喰い込んだ登校服の股布が一層よじれ、人よりも高く盛った恥丘の土手がピリピリした。

 タッタッタ……。
 スタスタスタ……。

 私の横を早足に通り過ぎるクラスメイトたち。 きつく唇を結んで、俯き加減に歩を進めるみんなは、誰一人私に気を留めることもない。 それはそうで、私だって他のクラスメイトがしゃがんでいたとしても、声をかけたりできないと思う。 自分のことで精いっぱいで、誰かのことを考える余裕なんて、あるわけない。 

 昨日、補習を受けたクラスメイト、【21番】【22番】【33番】の3人は、結局夜中に寮へ戻ってきたらしい。 夕食や入浴時に姿は見えなかったのに、朝の『ご挨拶』にはちゃんと揃っていた。 3人とも心持ち頬がこけていたが、それでも気丈にみんなと同様に振舞っていた。 挨拶が済んで食堂に戻る途中も、食事や、登校の準備の時も、誰も彼女たち3人に話しかけはしなかった。 補習を受けたクラスメイトを心配してはいたけれど、私の場合は話しかけることでとばっちりがくるのが怖くて、敢えて目すら合わせないようにしてきた。

 人間は弱い生き物だと思う。 私なんて、とくにそうだ。
 
 初日。 教壇の上に登らされて、身体中がバラバラになるくらい激しい浣腸で追い詰められて、必死に排泄をお願いした私を助けてくれたのが【33番】さんだった。 意識が朦朧としていてよく覚えていないのだけれど、自分の下半身と口をホースで繋いで、私が出したものを飲み干してくれた。 あのとき、たしかに【33番】さんから後光が差していた。 そのあと2人して動けなくなって、上級生と思しき人達に不思議な液体を呑まされ、そうするうちに気分がシャンとして、教室のみんなと合流することができた。 紛れもなく恩人で、友達になれたかもしれない【33番】さん。 一緒にいろんなことを励まして、助け合って、乗り越える関係になってくれるとすれば彼女だと思う。 

 だのに、現実の私は未だ彼女に御礼すら言えていない。 先輩や2号教官の視線が怖くて、常時監視されているというモニターを惧(おそ)れて、結局休み時間も含め、誰にも話しかけられないでいる。 誰かを内心で気遣ってみたところで、行動に顕わせなければ伝わるはずもない。 結局私にとって、かわいいのは私自身だけ。 徹頭徹尾自分のことが優先で、人のことを思いやる振りをしたって、どうせ馬脚は現れる。 

 入寮した日には、私の肩を掴んで熱い言葉をかけてくれたB29先輩も、一昨日と昨日は何にも話しかけてくれていない。 黙って一緒にお風呂に入り、黙って一緒に消灯するだけ。 すごく強くて優しい先輩だとは思っているけれど、私の味方をしてくれるとか、励ましてくれることはなかった。
 きっと私の心底がばれて、そっぽを向かれているんだと思う。 私自身が気づかないうちに、B29番先輩が気に入らないことをしたのかもしれない。 というか、行動1つとってみても、きっと不確かで不用意で不謹慎な点だらけなんだろう。 あのキビキビした【22番】さんが補習を受けるような、理不尽さで溢れた学園だ。 私が大過なく過ごしているわけがない。

 つまるところ、気まぐれで私を助けてくれた人たちも、すぐに私から離れていく。 どんくさくてなにもできない私なんて、構うだけの価値もない。 たまたま幼年学校の成績優秀者の補欠に選ばれて、たまたま選抜合宿に合格して、たまたま学園に入学できた。 

 幼年学校では、ずーっと勉強だけを続けた、典型的なガリベンだった。 親の指導をバカ正直に守り、毎日学校から帰ってからも勉強しかしなかった。 テレビもゲームもマンガも小説もネットも、友達同士のお出かけもなし。 予習2時間、復習2時間、宿題1時間。 それとは別に親がだす課題を2時間こなし、夜中の2時にベッドに入る。 朝は5時半に布団からたたき起こされて、ラテン語や漢文の素読をした。 それでも学年首位には届かなくて、次点で幼年学校を卒業した。 学園入学の資格を取れなかったことが悔しくて、成績が発表された日、親と一緒にずうっと泣き明かしたことを覚えている。 結局は首席の子が猥褻物隠匿罪で卒業を取り消されたため、私が学園入学の資格を貰えたのだけれど、喜びが大きすぎたのか、全然ピンと来なかった。 



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