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初恋はインパクトとともに
【青春 恋愛小説】

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初恋はインパクトとともに ♯5/魔法の言葉-7

ファーストフード店を出るころには駅前広場は何時もの賑わいを見せていた…つまりはそういう時間帯ということだ。
つまりはそろそろ…ということで。
彼からそういう会話を切り出されるのは何だかイヤだったので、自分から切り出すことにした。
「ではそろそろ…」
遅刻により9年連続の皆勤賞はなくなったが、サボりは自分のこれまで築きあげてきたものが許してくれそうもなかったので学校には行くことにした。まあ一限目はサボってしまったので何とも苦しい話ではあるが。

「うん、じゃあ今日は帰って寝るか〜」
「ああ、そうしたほうが良いだろうな…」
「ってのは何だかアレなんで学校行くかな。」
「とてもそんな体力は残っていそうに見えないが?今日は休むべきじゃないのか?」
「だってアキラは行くだろう?」「うむ…まあ」
「だったら俺も頑張っちゃおうかって話よ。」
そんなことで張り合わなくても…私はアカネの体を心配して言ったのに…
「大丈夫だって!まあ授業に集中する自信はないけどさ…その〜何だ…“俺も”頑張んないと」
どうやらいつの間にかそういう目で彼を見ていたらしい。
(まあ信じてはいるが…私の…その…惚れた男だし…多分)
まったく取るに足らない信頼だな。まあこんなちょっとしたことも新鮮ではあるわけだが。


「では…」
「…うん」

恋だの何だのは関係ない…というか私にはいまだに良く分からない。ただ彼と共有できる時間が大切で空間が愛おしくって、またソレを欲してしまう。
それは非常に脆く崩れやすくって、気付きにくくって曖昧なもの。
だけど、初めて手にした大切なもの、初めて気付かせてくれた“宝物”なんだ。
だから私は、私たちはあの言葉を交わす、また出会うために、また歩み寄るために、また近づくために…私たちにとっては魔法のようなあの言葉を……



『また会おう』ってさ…


次回【ロミオとジュリエット】へとつづく


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