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催眠権売買
【SF 官能小説】

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こいぬ1-1

「わんわん」
あれ?子犬がいる、どこにいるんだろう?
「わんわん」
すごく近くにいるのに子犬が見えない、子犬見たいよぉ
「わんわん」
すごくはしゃいで私の近くを走り回っているはずなのにどこにもいない。
私は子犬の声をたよりに空き教室を走り回った。
部屋の真ん中に立っている鳥飼が私を見下ろして何故か笑っている。
鳥飼は私に近づき手を頭の上にのせた。
「よーし よーしいい子だ若月」
鳥飼が私の頭を撫でていることに悪寒がする。犬なのに鳥肌が立つ。
そして髪の毛から顔を触りだし気持ち悪さが増すけど避けてはいけない気がした。
「おーよしよし、ほら気持ちいいだろ?」
顔や口、首筋をさすり胸を触ってきた、
本当にキモい鳥飼だけど、触られると気分が良くなる。
仰向けになってお腹さすってもらった方がいいのかな?
どうしよう?こいつにお腹を見せてもいいものか迷うじゃないか。
「はぁ〜柔らかいね若月、次はそうだなぁ、お座りしてもらおうかな」
とは言うけど、既におすわりしてるのに何いってんだろ?
「じゃー お手」
右手の前に手の平を指し出してきた。
右手を載せる。
「おお、出来た」
このくらい当たり前でしょ
「おかわり」今度は左手の前に手を出してきた。
そうくると思った。
私は少し勝ち誇ったように鳥飼の左手に手を載せた。
鳥飼は私をじっと見ている。
やばい、間違えたのかな? おかわりって左手だよね?
右手に変えようかな?
合ってんのか間違っているのか答えてよと不安になり鳥飼を見ていたら、
鳥飼は私を凝視したまま「かわいい」と言った。
違うだろー おかわりは間違っていないんだよね?
「く〜ん」人間の言葉を話せないことがもどかしい。
鳥飼は私の訴えなど聞こえないのか、手をおろして
「次は難しいぞ、チンチンしてみろ」と言ってきた。
何それーほんと低能、そんなの簡単でしょ
両手を胸の横に開き膝を曲げてお尻を浮かし背筋を伸ばす。
完璧なチンチン姿に鳥飼は目が丸くなり
「若月が犬チンチンしてる」と喜んだ。
何言ってんだろ、こんなこと誰だって出来るでしょと思っていると
「じゃあ、鳴きながら歩いてみてよ」と言ってきた。
まったく意味が分からない、なんで鳴く必要があるのか理解できない、
とはいえ命令通りするのが犬の努めだから仕方がない。
「わんわん」と言いながら子犬らしく小刻みに前進した。
「なんだこれー超可愛い、ぎゃっはっはっは」
鳥飼はお腹を抱えて笑い私を見ている。
その笑いは私の姿が可愛いのか、それとも変なのか、どちらなのか分からないじゃないか、
ホント嫌なやつ、私は真剣にやっているのに。
「わんわん」と小刻みに前進する、
笑っている鳥飼の向こうに、私の制服が置いてあるのが見えた。
ああ、そうか、犬なんだから裸なのは当然なんだ。
私は吠えながら鳥飼の開いている手に向かって進んだ。
「ああ、最高だ若月」鳥飼は私に抱きつき顔をすりつけ、吠える口を舐めてくる。
なんだこいつ、そんなにくっついたらチンチン出来ないじゃないか。
「よーし よーし、もういいよ」
そう言われて、私はお座りに戻る。
「最高だよ若月、今日いじめられたことなんてぶっ飛んじゃうぐらい最高だよ」
鳥飼は顔を舐めて口の中に舌を入れてくる。
ホント気持ち悪い、全身鳥肌だらけだよ、こいつが飼い主じゃなければ噛み殺しているところだよ。
鳥飼は口を離して、
「山本から半信半疑で買ったけど、本当に催眠が効くなんて信じられないよ」
と言ってから、再び舌を入れてくる。
山本って誰?サイミンって何? 何故だろうものすごく気になる言葉なのに気を抜くと忘れそう。
ってあれ?何だったっけ? 言ってるそばから忘れてしまった。
それより、いつまで舌を入れているんだろ、臭くて気持ち悪い。
しばらくして鳥飼は何か思い出したように顔を離すと、
「あ、そうだ、お腹すいただろ、ここにドックフードあるから食べていいよ」
と何も無い手を差し出す。
バカにしてるのか?どう見てもドックフードなんて無いじゃないか。
鳥飼の顔をみると、
「ほら、美味しそうなドックフードあるだろ?舌で舐めとってよ」
と言ってきた。
どう見てもないでしょと、差し出した手に顔を近づけたら、
とても香ばしい美味しそうな香りがするのに驚いた。


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