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マリネしたマジックマッシュルーム
【痴漢/痴女 官能小説】

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4.-2

 彩希はトボトボと自部屋に戻り、布団を頭から引き被った。自分だけスッキリして眠り、爽やかに早朝外へ出かけた弟が恨めしかった。悶々としていると、徹夜で良からぬことをしていた疲れが出て、彩希は眠りに落ちていった。
 康介が布団の上で胡座をかき、その上に正面から跨った彩希に唇を合わせていた。手は服の中に入り、バストを優しく揉み解している。周囲は見知らぬ景色だった。ワンルームらしい狭々しい部屋に巨大なベッドが鎮座していて、広いシーツの上で康介のほうからキスをしてくれていた。手は背中とバストにあって肝心な場所には触っていないのに、積極的な康介のキスのために蜜が内ももをトロトロと伝い落ちてきていた。
「康ちゃん……」
 名を呼ぶと、唇を離し、薄目に開いた睫毛の隙間から熱っぽい視線で見つめてくれる。
「大好きだよ姉ちゃん……愛してる」
「んぁっ……」
 満身の愛しみが彩希を包んできて、失禁してしまったかと思うほどの蜜が垂れた。
「彩希って呼んでいい?」
 もちろんだとも。
 だが彩希は一秒たりとも惜しくなって、肯諾の返事を言えずにまた康介の唇を吸った。バストを揉んでいた手が体を撫で下していって脚の間へ滑り込んでくる。康介の指がショーツの上からクリトリスを弾いた。
「はあっ」
 一度攻められただけなのに、ヒクヒクヒクと腰を前後に揺すらずにはいられなかった。指遣いが優しい。敏感になったクリトリスの表面が指腹に撫でられると髪が乱れるほど全身が波打った。
「すごくエッチになってるね」
「んっ、やっ……。お姉ちゃんに向かってそんなイジワルすんな……」
「すごいよ、彩希」
 水分を吸い取れなくなったショーツの上から小憎らしい指遣いでイジられると、下肢に淫らな音が立つ。「ビチョビチョだよ?」
「んっ、こ、康ちゃんが……そんなエッチこと言ったらダメなのっ……」
 普段物静かな康介に意地悪く揶揄されると、余計に疼いてしまう。
「挿れていい?」
「……い、挿れて……」
「彩希、一晩中オナニーして俺に挿れてもらうの待ってたでしょ?」
「うあぁっ……」
 羞恥の顔を見られたくなくて、彩希は康介に抱きついて髪に隠した。
「……俺がいつも自分で扱いているコレ……彩希に挿れたい」
「あんっ……い、挿れてくれるの?」
「うん、いいよ……姉ちゃん」
 康介は話す途中で深くキスをして、涎を流している彩希の舌をレロンと絡め、「エッチしよう」
 後ろに倒されていく。柔らかいシーツに寝転ばされると、いつの間にかショーツの取り払われた脚の間の向こうに、いつの間にか下半身を丸出しにした康介の男茎が、いつの間にか力強く屹立していた。
「これからは毎日一緒だね」
 康介が覆い被さって真上から見つめてくる。「……せっかく東京に来たんだから、毎日姉ちゃんとエッチしたい。いいよね?」
 そうか、もう東京に来たのだ。寮暮らしをする康介が、同居人がいる中でどうやって性欲処理をするのか心配していたが、それは全くの無用だった。自分でしなくたって、たっぷり姉がさせてやるのだから。させてやるから、もう一度愛してるって言ってほしくなってきた。彩希が降りてくる康介の唇を吸う前に、オネダリしようとしたところで――目が覚めた。
 自分の部屋だった。もう夕方近かった。
(夢……?)
 なるほどそういうことだったのか。火照った体を鎮めるように布団の中で丸まると、デニムの表面まで蜜が薄っすら染み出して、スキニージーンズの中が蒸し暑くなっていた。康介は、あのまま性交に及んで自分の男茎のせいで彩希が大声でヒィヒィと言って、家族が起きてしまうのを恐れたのだ。事実、康介に体を触られたら、ヒィヒィが我慢できなかっただろう。康介だって手淫であれほどまで悶絶していたのだから、自分の声も抑える自信がなかったに違いない。
 夢の中で伝えるなんて心憎い弟だった。東京に行けば、何の邪魔も入らない。それまでガマンしよう。そう言っているのだ。セックスだけの話ではない。アホみたいに人間がいると由香里が言っていたのを思い出し、それだけ人混みがあるのだったら、デートしてイチャイチャしたって構わないわけだ。東京に行くのがとても待ち遠しかった。


 康介と、彼の体の某部分のことばかり考えていたら、いよいよ東京に発つ準備をしなけれなならない時期になった。知らないところで巻き込んでおきながら由香里に一報入れるのを忘れてしまっていた。そこへ彩希の母親が、東京でお世話になります的な電話を由香里の母親に入れてしまったから、そこから由香里本人に伝わってしまった。
「おい、いい加減にしろよ?」
「ごめーん」
 軽い話ではなかったので、ごめん一言では許してくれなかった。かくかくしかじかって便利だなと思いつつ、東京で詳しく話すと言って、康介から三日遅れて東京へ発った。康介の時は父親の車で新千歳まで家族総出で送ったのに、彩希の時は札幌まで出かける真希が途中まで追いてきただけだった。出がけに母親がそっと数万円くらい握らせてくれるかもしれないと思ったのに、それすらなかった。
「夏休み、東京遊びにいこっと」
「遊びに行くんじゃないんだからね?」


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