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【女性向け 官能小説】

唇の最初へ 唇 0 唇 2 唇の最後へ

吸われて-1

「こんなに感じるキスは初めて・・・。」
彼はそんな私の感情をわかっているかのように時間をかけてじっくりと弄ぶように私の唇を愛撫する。
上唇を挟み吸い、ゆっくりと舐め回す。下唇を口に含み甘噛みする吸う舐める。吸われる度に気が遠くなるほど感じ、全身が痺れ下半身が熱くなる。

「んっ、んんん」思わす声が漏れる。男の厚くて柔らかいその唇は、優しく吸い付くように私の唇にまとわりつく。


今は、7つ上の会社の上司に飲みに誘われ、ああなってこうなって・・・詳細はあまりよく覚えてないけど、ホテルの一室で部屋に入ったらいきなり、ちょっと前に流行った「壁ドン」をされ濃厚なキスをカマしちゃっていると言うところです。

彼は、何となく何かの俳優に似ているような、それはいくら思い出そうとしても会社の人間皆が思い当たらないという、漠然とした俳優顔と言うことなんですが。くらいなイケメンもどきで。性格も仕事もなかなか良い。よって、人気者でもあるのです。そんな上司、名前を「もどきさん」とでもつけましょう。「俳優もどき」なので。
そのもどきさんから二人きりで飲みに行かないか?って誘われた訳だけど、まさかこうなるとは・・・。

もどきさんの舌が私の唇を割って入ってきた。私の舌を愛撫し始める。優しくじっとりとまとわりついてくるもどきさんの舌に酔いながら応えてこちらも絡みつく。もどきさんの舌は唇と同じく厚く柔らかい。そして熱い。
舌を優しく吸っている。吸いながら絡ませている。快感に脳が沸き立つ。溶けている、絶対私の脳は溶けているはずだ。あぁもうダメ、立っていられない。。本当はこう言うのを「濃厚なキス」って言うんだろうな。「甘美なキス」のほうがしっくりくるかな。
目を閉じて、じっくりそのねっとりとした熱い舌を感じる。

せっかく人気者のもどきさんのお顔が、キス顔がこんな近くて拝めるというのに、こんなに感じるキス、目を瞑って唇で味わなきゃもったいない。と言うか、体が、脳が、本能がそうさせる。
目を瞑り唇でキスを堪能する。神経を唇に集中させる。まるで、全身が唇に、舌になったみたい。美味しい。美味しいキスだ。
興奮して、呼吸が荒くなってきた。口はもどきさんで塞がれているので、鼻息が荒い。苦しくなる。もったいないけど、私の方から唇を離して呼吸を整える。
「ん?」もどきさんは、離したまま興奮した自分を隠すように斜め右下を向き息を荒いでる私を見て全てを察し、ほんの、ほんの少しだけ「くすっ」って笑って、姿勢を低くし下を向いている私をのぞき込むようにして「大丈夫?」と聞いた。

大丈夫ではありません。もうヘロヘロです。そんな目をしながら、言葉もなくうんうんとうなずく私。そしたら今度は長く筋肉質な腕でがっぷり抱きしめてきました。
もどきさんは、背が高い。確か180にちょっと欠けるって言っていた。大学時代はラグビーをしていたというその体は、本人曰く当時から比べたらだいぶ筋肉が無くなったらしいが、今でもその名残を感じさせる。私はこの細すぎず、ガッチリ過ぎずのこのちょうどいい感じが好みなのだ。ビンゴなのだ。なので、この腕に、胸板に包まれて、正直涙が出ました。幸せすぎます。よだれも出ました。それはさっきまでの深い深い接吻の余韻のせいです。

こんな興奮している私を知ってか知らぬか、もどきさんはぎゅっと抱きしめると、私のうなじの髪の毛をかき分けてまたまた優しいキス。全身に電気が走った。髪の毛が逆立っているんじゃないかと思いました。
うなじがこんなに感じるとは知らなかった。
あぁ、違う。相手だ。そんなの知っているじゃん。相手によって同じ事されても感じ方が違うんだよね。

「あっちに行こう」
私の魂を抜きながらながらもどきさんは私の肩を抱いて部屋の中に誘う。私は多分魂の抜けた、目はハートで口は半開きのだらしのない顔をしているんだろうなぁ・・・恥ずかしいなぁ。などと考えながら誘いに身を任せる。

抱かれている肩がジンジンと熱くなってくる。「この人は手かざし教の教祖か?」なんて考える余裕はない。

そう、まだ部屋にも入っていなかった。あんな濃厚な時間、玄関だけだったなんて。
もう、一戦交えたかのようなめくるめく次々と襲ってくる快楽に溺れていた私でしたが、まだまだホンの、ホンの序盤戦だったのです。食前酒を耳掻きサイズのスプーンですくって飲んでいたような感じですかね。

快感でボーッとしている頭で、これから私の身にどんな事が、どんな夜になるのかと、文字通り不安と大きな期待を胸に秘めながら、彼に肩を抱かれ部屋の真ん中のベッドが配置されている所まで来ました。

「座ろう」肩を抱いている手に少し力が入って、もどきさんが先ベッドに座りかけ、促されるように私ももどきさんの左側に座りました。

そして、もどきさんは私の顔を両手で包み込み、何回も何回も軽い、いわゆるフレンチキスを私の顔中に浴びせてきます。
あの柔らかい唇なので、私はまた直ぐにトロトロに感じてそのキスを受けていました。

「帰らなくて大丈夫?」
そうでした。まだ、その会話してなかった。一応そのやりとりはしないとね。
しかし。
ここで帰れる意志の強い女の人が居るのだろうか?
私の場合、親が危篤、でも悩むだろうな・・・。

キスの雨を降らしながもどきさんは聞き、キスの雨を受けながら私は消えそうなくらい小さな声で「はい」とだけ答えた。

「ありがとう」色っぽい目をしてもどきさんは言いました。
そして、またキスです。濃厚な方の、です。
でも、今度は唇に全神経を集中できませんでした。
あの美味しいキスをしながら、左腕は私の腰やお尻のの辺りをさすり、右手は服の上からおっぱいをやさしく包み込むように触ってきました。そして、もどきさんの唇が顎に、首にと段々下がってきました。


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