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喰われる人妻 菜穂
【若奥さん 官能小説】

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第32話-2


「えっ、秘書ですか……?」


「もちろん秘書と言っても正社員のようにバリバリ仕事をする訳じゃないよ、時間的にはパートタイムの仕事と同じで遅くても夕方くらいまで。出勤はそうだなぁ、たぶん週に2日か3日くらいでいいと思うんだけど。どう?」


「どうって言われても……」


天野部長の専属秘書なんて、菜穂は嫌な予感しかしなかった。


「これは凄く良い話だと思うよ、給料もその辺でパートで働くのとは比べ物にならないし、たぶん3倍か4倍は出るんじゃないかなぁ。いや、菜穂ちゃんの頑張り次第ではきっともっと貰えると思うよ。」


「3倍か4倍……そんなに……」


「そっ、良い話だろ?よし!じゃあ決まりだな!」


「えっ!?」


「実は今日はもう契約書も持ってきたんだ、それにささっとサインしてくれればいいからさ。印鑑持ってきてくれる?」


「印鑑って……ちょ、ちょっと待ってください、あの……私はまだ……」


「大丈夫だよ、怪しい契約書なんかじゃないから。」


「そ、そうじゃなくて……」


「いいから早く持ってきな。」


突然近藤に契約書を出され、印鑑まで要求された菜穂は当然慌てた。


「こ、近藤さん、そんな急に言われても……私……」


当たり前だ。こんな急な話で契約書にサインなんてできる訳がない。しかもあの天野の秘書なんて。

しかしそんな菜穂に対して、近藤は表情を一変させてこう言い放った。


「菜穂ちゃん、君と小溝のために言うが、断らない方がいいぞ。」


先程まで笑顔を見せながら穏やかに会話をしていた近藤の目つきが、人が変わったように鋭くなった。

背筋にゾクゾクと寒気が走る。


――何……?さっきまでの近藤さんとはまるで別人……――


態度を急変させてきたそんな近藤に、菜穂は恐ろしささえ感じた。


「天野部長の言う事には逆らわない方がいいって、この前言っただろ?」


「近藤さん……」


「正社員として採用されたと言っても、天野部長の気が変わってしまえば、小溝の首なんてすぐに切られる事だってありえるんだよ。あの人はそういう力を社内で持ってる。言ってる事分かるだろ?」


「そ、そんな……」


「だから君に選択の余地なんて無いんだよ。その天野部長に秘書になって欲しいと言われたんだから、素直に秘書になればいいんだよ。さぁ、印鑑持ってきて。」


近藤が菜穂に対してしてきているのは、完全に脅迫だった。

しかし、だからと言って簡単にそれを受け入れる事なんてできない。


「ま、待ってください近藤さん、せめて夫に相談させてください。秘書と言われても、仕事の内容もまだよく分からないですし……。」


「小溝に相談?そんな事する必要ないよ。それに菜穂ちゃんさ、仕事の内容も本当はもう分かっているんだろう?」


「……もう、分かってる……?」


「この前の社員旅行でも、天野部長に随分と良い働きっぷりを見せたそうじゃないか。だから智明は本採用された。そうだろう?」


「ぇ……」


――うそ……近藤さん…もしかしてこの人……――


「まだ分からない?」


そう言って近藤は席を移動し、菜穂の横に座って身体を近づけてきた。


「だったら、今ここで俺がどんな仕事かを教えてやるよ。」


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