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調教学園物語
【調教 官能小説】

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〜 火曜日・詰便 〜-4

 もはや金盥に『ご挨拶』はほとんど残っていなかった。 しかし、薬さじでこそげば、スプーン一杯分はある。 仕上げに薄っすら開いていた瞼の上から、隙間に塗り込むように薬さじを這わせた。 瞼の上から黄土色の瞳を描いた恰好になる。 これで綺麗に4キロの『ご挨拶』がなくなった。

 ……改めて30番の顔を眺める。 穴という穴から汚濁が溢れ、シリンダー越しに『ホヒュー、ホヒュー』とくぐもった吐息を漏らしながら、ピクピクと震える無様な肉塊。 眺めていて得られる感興は、哀れでも無残でも同情ですらなく、完全にヒトの域を脱した嘲笑しか湧いてこない。 道化の極み、愚の骨頂。 汚物にまみれた有機物と無機物のオブジェ。 

 4キロだ。 経験者でも厳しい量を詰め込まれたのだ。 正直、もっと咳込んだり、吐いたり、咽せたり、抵抗しても不思議ではない。 だのに30番は、律儀というにはあまりにも健気に、私のなすがままに身を任せた。 汚濁に包まれたみすぼらしさと裏腹に、私の胸の中には彼女に対する愛着が湧くのを抑えられない。 表情には決して出さないものの、可能なら両腕で抱きしめたいほど愛おしく思う。

 そんな感慨に私が浸る一方で、眺める生徒たちはかつてない静寂に包まれていた。 少女たちは自分自身で、30番のように黄土色を纏わなければならない。 ただ、彼女たちには知らせていないが、4キロを詰めるのは30番だけだ。 私自身が詰めるならともかく、自分で詰める彼女たちは、せいぜい半分が限界だろうと分かっている。 

 ヒクヒクし続ける30番の横で、新しく34人分の金盥が並び、2キロずつ『ご挨拶』が配られる。 少女たちは銘々が膣に、そして尿道に、更には耳、鼻、口と、懸命に黄土色の塊を詰めた。 数人が誤って便塊を呑んでしまい、痛烈に咽せて吐いたりしたが、吐いたものには、吐いた量に倍増する『ご挨拶』を追加してあげた。 そうこうするうちに10分が経過し、すべての金盥が空っぽになる。 35人はもはやヒトではなく、シリンダーを咥えた無残なオブジェに身をやつした。 

 生徒の僅かに残った尊厳が雲散霧消する間、プールの注水口からは屎尿が注がれていた。 屎尿が、さっきまで生徒たちが戯(たわむ)れていた牛乳浣腸や茶色い固形物を飲み込み、水嵩(みずかさ)がぐんぐん増してゆく。 30番が、そして他の34人が『詰便』を懸命に耐えている間に、30センチまで水深は達してゆく。

 第5姿勢を解かせ、もう一度手すりからプールの底へ下ろす。 一列になって、第1姿勢をとる生徒達。 唯一黄土色の軟便で瞳を塞がれた30番も、どうにか他の生徒の助けをかりて所定の場所に立つ。 その場で背筋を伸ばした生徒たちの股間からは、ボタボタッと小さな茶色い欠片が垂れた。 

 もはや糞便が顔面を覆い、生徒たちの表情はまるで分からない。 耳は既に塞がれている。   
 私はステッキで生徒たちをつつき、横たわるよう指示を出した。 納めた便を零さないように、口いっぱいに苦味を溢れさせる塊を喉まで侵入させないように、皆おずおずと横たわる、もはや裸体というよりは大便そのものに近い物体たち。 やがて濁った液面の底に姿を消す。 代わりにあらわれたのが、茶色と黄色が綯交ぜになった水面を突き抜ける、ガラスのシリンダーが35本だ。 水面から5センチほど高いところにシリンダーの口があり、静かな講義室の中に『ホヒュー、ホヒュー』と機械のような音を響かせる。 

 体内に便を収める『詰便』、そして内外ともに便で覆われる『埋便』。 学園のスカトロジー的な一つの極みだ。 それを、少女達は入学2日目にして、身体と心で体験した形になる。
 勿論、学園の汚物嗜好はこんなものでは済まされない。 埋便にしても、命綱のシリンダーから更に試薬を投入するヴァージョンや、屎尿の代わりに軟便に埋めるヴァージョンがある。 実技の中にも、汚物で楽器を鳴らす講義や、排泄音で合奏を再現する講義、植物にまく肥料を排泄で賄う実技など、私が体験しただけでも汚物が関連する内容は10指どころか100指に余る。 排便ソフトクリームや、排尿ビールサーバーなど、味にこだわった食事にすらスカトロジーは潜んでいる。 そういう意味では、私が提供した体験は、ほんの一握りにすら足らないのかもしれない。 それでも、学園最初の週に与える体験として相応しいかどうかはさておき、限られた時間でここまでやれた。 プールに沈んだ生徒たちを前にして、達成感というべきか、充実感というべきか、兎に角ある種の感慨があるのは否めない。
 生徒には告げていないが、生徒たちが耐える時間は20分間と決めている。 いまごろこの先が不安で恐怖で、誰もが糞便を詰め込まれながら絶望の淵で踏ん張っていることだろう。 期限を知らされずに最後まで耐えた生徒は、それでよし。 耐えられない生徒がいれば、それなりの追加指導は避けられまい。 どんな指導が相応しいか考えながら、静かな教室のプールサイドに、私は腰を下ろすのだった。 


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