第29話-2
「ん……はァァ……」
「あーぁ、熱くてトロトロだ。これは膣(なか)も相当敏感になってますね。」
そう言って早速快感スポットを刺激するように指で膣壁を擦り上げていく天野。
「あっんっんっ……はァッ…あっんっんっ……!」
――ああっ、ダメこれ……出ちゃう……声出ちゃう……――
タオルで口を抑えていても、菜穂はあまりの気持ち良さに漏れる声を我慢する事ができない。
それにさっきまで世間話をしていたはずの後ろの席の社員や近くに座っている社員達が、皆会話を止めて黙ってしまっている。
もしかして気付かれてしまっているのかもしれないと、不安が頭を過る。
さらにそれに加えて天野の指の激しい抽送のせいで、クチュクチュグチャグチャと粘液質で卑猥な音が漏れていた。
これだけの声や音、普通に考えて近くの人に聞こえていない訳がない。
――ダメ……聞かれちゃう……ああ……――
それでも菜穂はあまりの快感に天野の動きを止める事も抵抗する事もできず、寧ろ身体はもっと欲しいと股をさらに大きく開いていってしまう。
そして菜穂は前を見てある事に気付いた。
バスの運転手がバックミラーでこちらをチラチラと見ていたのだ。
――イヤ!見られてる……!――
手を動かし続けていた天野も運転手の視線に気付いたのか、ニヤニヤと笑いながらこう口を開いた。
「運転手さん!あと何分くらいで着きます?」
「えっ!?あ、えーっと……あと15分くらいですかねぇ。」
「そうですか、では後ろにも気を付けて運転してください。バックミラーでちゃんと見ながらね。」
「え……あ〜はいはい。ハハッ、しっかり安全運転で行きますから大丈夫ですよぉ。」
運転手は突然声を掛けられ最初動揺していたが、天野のその意味深な言葉の意図を理解したようで、笑みを浮かべていた。
「奥さん、もう分かってますよね?運転手がこちらを見てますよ。それに周りの社員達もさっきから私達のしている事に気付いるみたいだ。」
――そんな……うそ……いやぁ――
「おおー、今オマンコがキュンキュン締まりましたよ。やっぱり恥ずかしいと感じちゃうんですね奥さん。だったらもっと見てもらいましょうよ。」
そう言うと天野はひざ掛けを捲くり上げて、菜穂の裸の下半身を運転手に見えるように露出させた。
すると運転手はミラー越しに目を丸くして驚いていた。
「ああ…ダメェ……」
「ハハッ、奥さん、もうどうせ周りにはバレているんですから、思いっきりイッていいですよ。」
周りに隠す必要がないと判断した天野は、手を大胆に動かし菜穂を絶頂に導こうする。
グチャグチャグチャグチャ……!
「あっあっあっンッンッンーー!」
菜穂ももう全く声を抑える事ができない。
職人のように巧みに指を激しく動かす天野。
「あー凄いですよ奥さん。」
ビチャビチャビチャ……!
天野の指が膣壁の上部を刺激すると、その快感に耐えられなくなった菜穂は、ついに潮まで吹き始めてしまう。
菜穂の温かい体液が座席を濡らし、床に水たまりを作っていく。
菜穂の潮吹きに運転手も思わず「おお……」と声を漏らした。
「ハァこんな……もうダメ……ああ……」
そして切迫した喘ぎ声を漏らしながら、菜穂は大きな快感の波が近付いてくるのを感じていた。
「もうイキそうでしょう。皆見てますよ、ほら、見られながらイクんだ奥さん。」
チラっと菜穂が横を見ると、反対側に座っていた男性社員達も興奮した表情でこちらをじっと見てきている。
――見られてる…本当に見られちゃってる……ああああっ――
クリトリスも同時に刺激してラストスパートを掛ける天野。
――ああもうダメッ!どうしてこんな……ダメなのに……スゴイ……ああっ!イクッ!イッちゃうっ!――
「ハァァ……ッああああんっ!」
凄まじい絶頂感に、身体を大きく仰け反らせる菜穂。
股を大きく開いたまま座席から腰が真上に突き上がる。そしてその動きのせいで、下半身を隠していた膝掛けは床に落ちてしまった。
周囲は静まり返えり、運転手はポカーンと口を開けている。
そんな中、菜穂の意識は少しずつ薄れ、遠くなっていった。