出-6
「言ってくれればいいのに」
「ごめんなさ・・」
痛さからかぎゅっと俺の首に巻きついた腕がさらに力を込めた。
「何もごめんなさいじゃないよ。言ってくれればもっと優しくしたのに」
「りょぉすけ」
「痛いよな。もうちょっと我慢して」
ゆっくりと。これ以上ないほどゆっくりと動いて
それでも痛そうにする由紀には悪いけど
由紀の初めての相手だという事に嬉しくて。
気を紛らわすためにキスを繰り返して
「好きだよ」
を繰り返した。
徐々に抜けて行く由紀の力に、段々と律動を早くした。
「由紀、好きだよ」
その言葉に「ん」と反応して、俺をもう一度抱きしめる腕に力を込めた時に
その行為が可愛くて、俺は由紀を抱きしめながらイった。
「柳下さぁぁん・・・」
痛さからか、ギュッと抱きついてきた由紀を
笑いながら抱きしめて。
「愛してるよ」
と言ってそのまま眠りについた。
翌朝―――
由紀は腕の中はおろか、部屋のどこにも姿が見えなかった。