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運命という名の恋
【女性向け 官能小説】

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-3


「私の名前、知ってたんですか?」
そう聞かれたので
「いや。ごめん。山口に教えてもらったんだ。
そのストラップも上杉さんにあげるなんて気が付かなくて。
実は山口にあげなさい、と言われたからなんだ」
と正直に言ったら、
上杉さんは本当におかしそうに笑い出した。

「柳下さんは飾らないし、見栄も張らないし。いいですね」
そう言ってストラップをギュッと握った。

その姿が可愛くて。
思わず俺自身が上杉さんをギュッと抱きしめた。

「柳下さん」

ほんの少し、頭の片隅で上杉さんの男性嫌悪症がよぎったけど
ハッキリ拒絶されないのをいいことにキスをした。

始めはほんの触れるぐらいのキスを繰り返して
だんだん触れている時間が長くなっていく。

軽く顔を離せば、少しうつろな上杉さんがいて。
その顔を隠すようにギュッと俺の胸に抱き締めた。

「柳下・・・さん?」
「ごめん。帰したくなくなった」
それだけ言って抱きしめる腕に力を込めた。

抱きしめていなければ気づかないほどの小さな首の動きで
小さく小さく「うん」と上杉さんが返事をした。

俺はその小さな返事に大きく自信を持って
上杉さんの手を握ってタクシーに乗り込んだ。



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