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運命という名の恋
【女性向け 官能小説】

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「言ってくれれば、お店をきちんと予約したのに」
そう言って、
ほら。この前、外食営業の横手のところに
有名なレストランのオーナーが迎えに来ただろ。
横手は同期なんだよ。
と、きっと共通の話題だろうと持ち出した。

「柳下さんはそのレストランに行ったことがあるんですか?」
と聞かれたので
「いや。ない。だから一緒に行こうと思ったんだ」
というと、くすくす笑って
「今度一緒に行きたいですね」と言った。

あ。そうだ。
と、数週間前に山口に言われて予約をしたストラップを
昨日出来たと渡されたんだ。

「これ。ごめん。誕生日プレゼントにはならないけど」
と、きれいにラッピングされている、そのストラップを渡せば
ビックリして嬉しそうに開けてさらにビックリしたようで。

「あ。これ広報部が販売するやつですよね」
「そう」
「確か、広報の人だけ見本で先行予約出来たって」
「よく知ってるね」

嬉しそうに視線の高さまでストラップを持ち上げて
くるくると回しながらじっと見つめるその姿が可愛かった。

「秘書課でも有名で。いいな〜と思ってたんです」
「そうなんだ。言えばよかったのに」

そんなこと言えないです。
と小さな、聞き取れるか聞き取れないかの声で言った後に

「あっ!」
と大声を出して目を丸くした。
「なに?」
その声にびっくりして身を乗り出して聞けば
「刻印ができるんですよね。って言おうとしたら・・・」

そこで上杉さんの名前が刻印されているのに気が付いて
じっと見つめていた。

「いやだった?」
そう聞けば、思い切り首を振って
嬉しいです。と小さくつぶやいた。



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