第20話-1
「チュ……チュパ……チュ……クチュ……」
天野のペニスには味があった。
陰茎を覆う黒ずんだ皮や血管、そして特にその味が濃い陰茎の根本や溝になったカリの部分に舌をそわせる。
パンパンに膨れた亀頭の割れ目から溢れ出ていた透明のカウパー線液は、塩っぱかった。
天野の濃厚な匂いや味を感じる度に、どうしようもなく身体が熱くなる。
やりたくてやっている訳じゃないの。
やらなきゃいけないからやってるの。
口でするのは好き。
でもそれは愛している人にだけ。
だから天野に聞かれても何も答えなかった。
他人の男のモノなんてしたい訳がない。
でも、そのはずなのに、なぜか夢中になってしまう。
男の人のこの味、この匂いを2年間ずっと感じずに生活してきたから。
だからその分をまるで取り返すかのように、天野の濃い味に夢中になってしまっていた。
「いいですねぇ奥さん、ではそろそろ咥えてみましょうか。」
舐められるだけの刺激では物足りなくなったのか、天野はそう言って菜穂から一旦ペニスを離させた。
隆々と勃起した男根を改めて見せつけられ、その迫力に圧倒されるも、菜穂の口はどこか物欲しそうな表情をしていた。
こんな大きなモノが口に入るのかと不安になると同時に、咥えたらどんな味がして、どんな気持ちになるのだろうと、想像する菜穂。
「さぁ、口を開けて。」
天野は菜穂の口にペニスの先端を近づけた。
言われた通りに、菜穂は素直に口を開いてみせる。
「もっとですよ、もっと大きく開けないと入らないですよ。」
「ん……」
その顔を見られるのが恥ずかしいのか、最初は少し躊躇っていた菜穂だったが、さらにペニスを近づけられると、意を決したように目を閉じて、大きく口を開いた。
「そうです。じゃあそのまま咥えてください、ほら、ここを持って。」
天野に陰茎部分を握らされる。
そしてそのまま誘導されるようにして、菜穂はペニスの亀頭部分を咥えた。
「んーー………」
咥えた瞬間に口中に広がる男の味。
「そのままもっと奥まで入れてください。出来る所まででいいですから。」
頭を前へ動かし、さらに肉棒を咥え込んでいく菜穂。
あれだけのサイズだったのに、意外と入っていってしまう。
そして丁度全体の長さの半分くらいが入った所で菜穂は止まった。
もう、喉の付近まで大きな亀頭が到達している。
殆ど隙間なく、口の中いっぱいに天野の男根を感じる。
「奥さん、目を開けてください。こっちを見て。」
ゆっくりと目を開き、少し苦しそうな表情で天野を見上げる菜穂。
「いい顔ですよ奥さん。ではそのまま続けて、私を気持ち良くしてください。」
その言葉を聞き、菜穂は再び目を閉じてフェラチオを始めようとした。
すると、すぐに天野から注文が入った。
「駄目です奥さん、目はこちらに向けて、私の目を見ながらするんです。」
「ん……ンン……」
菜穂は目を開けてもう一度天野の顔を見つめると、そのままゆっくりと頭を前後に動かし始めた。
ジュパ……チュパ……ジュパ……
「ン……ン……んん……」
「ああ、奥さんの口の中、凄く気持ちいいですよ。あとはもっと吸うようにしてやってくれるといいですね。」
吸うように≠フ意味を少し考えて、こうですか?と言った感じでやってみる菜穂。
ジュポッ……ジュパッ……ジュポッ……
「そうですそうです、いい感じですよ。舌ももっと使って。」
頬を凹ませながらの頭を前後に動かし、同時に口の中では舌を亀頭に押し付けるようにして刺激する。
そしてそのリズムを徐々に上げていく菜穂。
「ン……ンン……んん……」
「コツを掴んできましたね。その調子ですよ。ハハッ、それにしても美味しそうにフェラしますねぇ奥さん。」
美味しそうに……確かにそうかもしれない。
本当ならこの上なく嫌な事であるはずなのに、天野の大きなモノを口いっぱいに含んでいると、罪悪感や屈辱感が消えて、快楽の事しか頭に残らなくなってしまう。
2年ぶりのペニスの味わいを喜んでいるかのように菜穂の口から唾液が沢山分泌される。
天野の濃厚な男性フェロモンに、菜穂は自分の女≠フ部分が反応してしまっているのを感じていた。
そして気が付けば5分以上も我を忘れてフェラチオを続けていた。
「奥さん、もういいですよ。」
天野が肩をポンポンと叩いて、菜穂を止める。
そこでようやく菜穂は口からペニスを離した。
「ぷはぁ……ハァ……ハァ……」
赤黒い亀頭とピンク色の唇の間で、トロッとした唾液が糸を引く。
菜穂は濡れた口元を恥ずかしそうに手で拭いた。
「ハァ……」
フェラチオを終えた菜穂の顔は火照りきっていて、完全に発情しているメスそのものだった。
そして菜穂はまだ勃起を維持している天野のペニスを蕩けるような目で見つめていた。
「まだ物足りないって顔してますね、奥さん。」
そう言って天野は菜穂の陰部に手を伸ばした。
「おお、奥さん、ここ凄い事になってますよ、グチョグチョじゃないですか。あーぁ、太ももまでこんなに沢山垂らして。」
クチュクチュ……
「んっあっあっ……ハァァ……」
指先で膣の入り口を少し触っただけで敏感に反応する菜穂。
「フェラチオで興奮しちゃったみたいですね奥さん。でも安心してください、今度はこっちのお口でたっぷり味わわせてあげますから。」