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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 自己紹介 〜-3

 司会進行でもあり、1番を担当する先輩でもあるB1番が、そっと紙片を床におきました。 顎で紙片をさし、1番にそれとなく気づかせます。

 自己紹介はここで終わりではありません。 次に寮生活の目標を、寮生全員の前で宣言するわけです。 肝心の目標ですが、これは自分で決めるわけではありません。 事前に相部屋の先輩が用意したメモを読み上げる形で宣言します。 というのも、寮初日の新入生に、わたくし達を納得させるだけの目標など口にできるはずがないのです。 

 相部屋になる直属の先輩は、自分の経験を踏まえ、寮全員を納得させる目標を考えだして後輩に渡します。 渡す側としても、簡単な仕事ではありません。 設定した目標が厳しすぎて実現できなければ、後輩はもちろんのこと、先輩自身も目標不達成の烙印が待ち受けます。 この烙印は決して軽いものではなく、具体的には肛門の上に『有言不実行』の『アイスピック』をおされるのですが、痛みのあまりショック死する生徒もいたと聞きました。 恐ろしいことです。 それでは目標を達成しやすくすればいいように思いますが、そうは問屋が卸しません。 設定した目標が軽すぎた場合は、後輩を甘やかした戒めとして、目標を書いた先輩だけが寮長――つまりわたくし――から指導を受けることになります。 

 かくいうわたくしも、Bグループに進級した初年度に、甘すぎた咎で指導を受けた一人です。 わたくしが先の寮長から受けた指導は『てるてる坊主』でした。
 『てるてる坊主』とは、両足首を鉄パイプの端に連結させ、180° 開脚した姿勢に固定され、手は後ろ手に縛られたまま寮旗の掲揚棒に縛られるというものです。 6月の梅雨期でしたので、ずっとシトつく雨が降っていました。 その雨の中、天候が晴れるまで逆さづりで放置されました。
 血が頭に昇って、しかも溜まるので激痛が絶えず、一時は死を覚悟しました。 もしも単純に逆さづりされただけだとしたら、本当に死んでいたと思います。 しかし、わたくしの気づかぬうちに耳にピアス大の穴が穿たれていました。 溜まった血が少しづつ耳から洩れるせいで、死ぬような苦しみの中でも、天候が晴れるまでの一昼夜半、わたくしは耐えることができたと思います。 今でも耳たぶに引きつった痕が残り、鏡を見るたびに当時の苦しみが蘇ります。 他にも様々な指導がありましたが、どれも似たような痛みをともなうものばかりでした。 Bグループ生にとって、寮長の指導ほど怖いものはなかったように思います。

 余談はこのくらいにしておきましょう。 紙片を確認した1番は、ギュっと目を瞑って叫びました。

「寮生活での目標は次の通りであります! 先輩方のオマンコを上手に舐めるため、自分のチツマンコで練習します! 自分で自分をセルフクンニして、先輩方の前でいつでも絶頂できるようになります! ご指導よろしくお願いします!」

 1番が肩で息をし、食道が水を打ったように鎮まりました。 これから自己紹介をする新入生も、自分の後輩がうまく出来るか心配する先輩も、緊張している点で同じです。 緊張感が乏しいのはわたくし達くらいのものでしょう。

「ぷぷっ……セルフクンニって」
「何それ、アホじゃないの」
「ウケるわ〜」
「去年も似たようなのあったよね。 懐かしいっていうか、二番煎じっていうか」

 わたくしの隣で、Aグループがそれぞれ感想を呟きました。 Bグループ、新入生が静まり返っているせいで、小声であっても食堂全体に届きます。 馬鹿にしてはいますが、怒りを含んだコメントはありません。 この辺りは阿吽の呼吸です。 最後を締めるのは、寮長たるわたくしのコメントです。 直接新入生に言葉をかける気はありませんので、進行役のB1番に、

「まあ、それで宜しいんじゃないですか。 閉寮式の日にでも、折をみて披露させてあげましょう。 B1番さんは、それまでにしっかり指導してあげてくださいね」

 と伝えます。 B1番が深々とお辞儀し、これで1番は『合格』となりました。



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