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10days
【青春 恋愛小説】

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ゲームの行方-1

「久弥ぁ、また別れたんだって?」
登校してきた俺に、友達の秀が話しかけてくる。
昨日あったことなのになんでもう知ってるんだ?


「あぁ。」
適当に相槌を打つ。
そんな俺の態度に眉間に皺を寄せ
「・・・どんな子なら、藤木 久弥君は長続きするのやら。」
溜め息交じりに秀が肩を縮めた。
「さぁ・・・な。」



俺、藤木 久弥は自分で言うのもなんだが女に不自由したことがない。
いわば、来るもの拒まず去るもの追わず。

秀は「また別れた」っていうけどな、別に俺がどうこうした訳じゃない。
向こうが告白してきたから付き合って、やっぱり別れましょうって言われたから別れた。


ただ・・・それだけ。


「久弥ってさぁ、自分から告白したり好きになったりしたことある?」

ふいに秀が思いついたように意地悪く聞いてくる。
「ないな。」
事も無げに言う俺に秀は一瞥をくれ

「じゃあさ、手始めに告白ってものをしてみれば?」
と悪戯っぽく笑った。


冗談・・・一蹴しようとしたが、秀に負けず劣らず暇人なクラスメイトが

「じゃあさ、久弥からの突然の告白で女が落ちるか賭けようぜ!」
気付けば俺の周りに6人の暇人。


これが、ゲームの始まり・・・。


振られた時点でゲームオーバー
付き合いだしたら10日間は付き合うこと
賭けのことは相手に言わないこと
俺のタイプであること
これが条件。
見返りは1人500円で、上手く行けば3000円が手に入る。


昼休み、教室のベランダから外を見る。
「そういやさ、久弥のタイプってどんなの?」
・・・タイプ。
う〜ん、と首を捻る。
そうだな、どちらかといえば綺麗や美人より可愛くて小動物みたいなのがいいかな。
元気が良くて・・・。

そんなことを頭の中でくるくると巡らせていたら
「あ、あんな感じのどう?」
一緒に物色していたやつが声を掛けてきた。
どれどれ、とベランダから覗き込む。
「あぁ・・・、いいんじゃね?」
ろくに相手も見ずに返事をする。
「あ、あの子、俺去年委員会で一緒だったよ。」
すぐに『お相手』の身元は判明。


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