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10days
【青春 恋愛小説】

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ゲームの行方-5

あの日、俺は賭けに出た。
たった一つの柚香との繋がり・・・。
クリスマスの約束で自分にけじめをつけるって。
もし、柚香が来てくれたならきちんと自分の気持ちを伝える。
来なかったら・・・。
ぐっ・・・と拳に力を入れる。


時計を見る。
もう昼になるのか・・・。

その時、びゅうっと北風が吹く。
体の芯から冷え冷えとする。
だけどまだ、諦めたくない。
そう思い風の来ない石門の裏に身を寄せる。

どのくらい石門の裏で風避けをしていただろう。
ふいに石門の前に人の気配を感じた。
あ・・・。
見た瞬間、俺は「その人」を抱きしめた。


「柚香・・・っ。」
嫌がるか、と不安になり逃げられないようぎゅっ、と力を込める。
柚香は・・・逃げなかった。
その事実に、ほ・・・っと安堵の息を漏らす。

「今更何を言っても言い訳にしかならないのは分かってる。・・・だけど、柚香を好きだって言うのは嘘じゃないから・・・っ。俺、柚香を失くすの嫌だ。」
まるで子供みたいだと自分でも思う。馬鹿みたいに必死で・・・自分らしくない。
だけど、それでもいいから・・・。

「あたしは・・・ずっと先輩が好きです。だから、そんなに辛そうにしないでください。」
声をかけられ、柚香を見る。きっと今の俺は凄く情けない表情をしているに違いない。

「・・・もう1度、最初から始めてもらえませんか?」
静かな、だけど凛とした声。


「折原 柚香さん、好きです。俺と付き合ってください。」
真っ直ぐ柚香を見て、今度は「好き」の気持ちを精一杯込める。


「・・・はい。」
頬をほんのり紅く染め、最初と同じ笑顔を見せた。


〜Fin〜


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