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恋人にしたい
【OL/お姉さん 官能小説】

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恋人にしたい-3

「ありがとう。ちょっと重すぎた・・・」

扉を開き僕を迎え入れるように部屋の中へと誘う。
箱の中身はゴロっとしていて、彼女のイメージには似つかわしくないカボチャやキャベツが隙間から伺えた。
野菜が悪いとは言わないがもっと・・・どういうのか綺麗なイメージがあってもよかったんじゃないかなどと思った。

この時から不思議なほどのストレートさを感じた。
僕の中にはすこしずつ親しくなって、すこしずつ知り合って。
できればこの僕の事もすこしずつ好きになってもらえれば・・・などと考えていただろう。

二度目に会った時に彼女の息を感じるほど接近して、部屋にも入れてもらえた。
僕は抱えた荷物を彼女が示すようにキッチンのテーブルにドサリと置いた。
なるほど、こうなっているのだ。

僕は前のアパートだった頃に一度来た事がある。
僕は幼くて何の用だったか憶えてなどいないけど、たぶん母親と親しい人がいたのだと思う。
キッチンはもっと狭くて白い冷蔵庫が大きく不恰好に見えた。
それに一繋がりの畳の部屋があって、そこには丸めた布団がうずくまっていた。

今はその間取りのままでも、畳だった部屋が全部板張りに生まれ変わっていて、つまり僕はそこに立っている。
ダイニングというのだろうか、うちではただの台所にあたる食卓がずいぶん広く見える。
奥にも部屋があって、そこが前のアパートでは向かい側の別の住居にあたるのだろう。
そう、たしかその境界線には子供心にも狭くて暗い廊下が通っていて、今はその部分までこの板張りが来てるので広く見えるはずなのだ。

白い壁をくり貫いたように扉は開かれていて、その中が少しだけ覗ける。
純白の明るい光に輝いているのは好きな女の人が生活する空間に対する僕の憧れがそう見せているのかも知れない。

「急いでなかったの?」

不意にかけられた声は僕を彷徨っていた、どこか違う世界からここへ呼び戻した。
そうでもないと答えてお茶を煎れてくれる彼女の後ろ姿を僕は見つめている。
女の人の体というのは不思議な形をしていて、彼女の着けている白にブルーのシマシマのTシャツが短く、背中の一部が見えている。
腰が緩やかにきゅっと絞られていて、この前と同じ褪せたジーンズのお尻がやはり大きく見えた。
露出しているのは背中ばかりでなく、ジーンズとの間に下着の一部も覗き見れた。
サンダルを脱いだ裸足のカカトまでがエロチックに見えてくる。

手を下に組んで、勃起してしまうんじゃないかとそこを隠す。
彼女はカップをふたつ、ガシャガシャと用意してコーヒーの粉を取り分ける。
砂糖とミルクを用意して、冷蔵庫からなぜかわらび餅を取り出した。
その間にもカカトを上げて伸びをしたり、腰に手をあてて微かにお尻を振ったりしながら他愛ない事を話かけてきた。

目の前にはカボチャの箱があった。
その傍らには彼女が置いた鍵があり、つるんとした大きな取っ手がある車の鍵もついていた。
それで合点がいく。
近くに車を停めて、そこから持ち帰ってきたのなら、華奢な女の人でもありえる事だ。
ここは道幅がせまく、引越しのトラックが停まった時でも自転車さえ通れなくなるからだ。

「エッチね。お尻ばっかみつめて・・・」

彼女は笑顔を見せた。
だけど、その美しい笑顔からついた言葉は僕の胸を深くえぐった。


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