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恋人にしたい
【OL/お姉さん 官能小説】

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恋人にしたい-2

「僕のものになって欲しい。」

僕はいま17で彼女は28ぐらい。
僕が25になるまでこのまま仲良くしていられたものだったら、この年齢の差はきっと縮まるに違いない。
妄想は儚いもので常に僕だけを現実に取り残してゆく。


どうなんだろう?
僕は今まで人の表情というものに、さして気をつけた事などなかったように思うのだ。
泣いていればないているんだろう。
怒っていれば怒っているんだろう。
それぐらいなら誰だって判断できる事だろうけど、なぜ泣いてるのかどれほど怒っているのかなどは言葉がなければ伝えきれないものだ。
僕はだいたいそのぐらいに思っていた。

だけれど、あの人が見せたトラックに向けた笑顔と向き直って僕に向けた笑顔の間には言葉を越えた表情があったのだ。
それは繰り返されるムービーのように僕の目にくっきりと焼け付いて、いつしか僕はきっと・・・

きっと、いつしかあの人を恋人にしたいのだと思う。

近くて遠い・・・そういう例えって何の事だったか。

学校の女の子が好きになったら毎日会えるだろう。
コンビニのお姉さんが好きになったのなら、そこに行けば会えるだろう。
隣に住んでいながらなかなかあの人に会う機会がなくて、僕はそんな風なことを思っていた。
実際にはすぐ隣で食べたり眠ったりしてるはずなのに僕と彼女は全く違う世界に生きている。
そんな中でようやく彼女を見かけたのはあれから二週間ぐらい経ってからの事だった。

彼女は髪を下ろしていて、結わえていた髪は肩にかかる。
面立ちもあの時より細く見えて、ちょっとした美人に映る。
それなら町で偶然出会っていても、僕には気づく事ができなかったかも知れない。
彼女はダンボールの箱を抱えて帰ってきた。
それほど大きなものではなかったけど、重そうに抱えて帰ってきた。
少しばかり器用な・・・いや、普通の男だったら気になる人が荷物を抱えていたなら思わず手を差し伸べただろう。
残念ながら特に不器用な僕は彼女に会えたときめきで胸がいっぱいになり、そこまで気がまわらなかった。

ただ茫然とそれを眺めて立ち尽くしただけだった。

「あら、おでかけ?いいお天気ね。」

息を弾ませながらその箱を部屋の前で地に下ろし、お尻のポケットにひっかけてあった部屋の鍵を取り出しながら明るく笑いかけた。
僕はここにきて、ようやく何かしなければならないと「直感」に近いものを感じて歩み寄った。
彼女は扉を少しだけ開き、それをお尻で支えながら再び荷物を抱えようと前屈みになる。
そのポーズがどこか体操選手の競技のように綺麗で僕の目には返ってエロチックにさえ映った。
そう、彼女は何気ないしぐさのひとつひとつがエロチックなんだ。

僕はあわてて駆け寄った。
荷物を持ちあげて彼女のすぐ近くに立つと弾んだ吐息を感じる事ができた。


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