投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

虹色の楽譜
【女性向け 官能小説】

虹色の楽譜の最初へ 虹色の楽譜 25 虹色の楽譜 27 虹色の楽譜の最後へ

-2


「まだ・・・まだ奏くんが優勝だとは決まっていません」
それだけ言うのがやっとだった。
「決まったよ。素人の村松さんが聴いても分かっただろ?
小野寺の演奏はケタ違いだった」

「・・・・」

「このコンクールの結果が、君たちにとって・・・
いい方向に向かう事を願うよ」

そう言って柳下さんは帰って行った。

まだ。まだ決まっていない。
奏くんが優勝するのが嬉しいのか、それとも優勝しない方がいいのか。
私には分からない。
でも、私たちは始まったばかりで。

まだ何もしてないの。
私たちはこれからなのに。

祈るようにその後の演奏者を聴いて、そして順位の発表になった。

私の願いは叶えられ
私の願いはむなしく
そして柳下さんの予想通り。

小野寺奏は優勝した。

あまりの実力の違いからか。
2位は該当者なし。

それほど、奏くんの演奏は私たちに、審査員に訴えかけるものだった。

バラバラと聴衆が席を立ち
帰りだしても、私は席を立てなかった。

音を消していたスマホに静かにメールが入った。
奏くんだ。

=茜さん。どこ?一緒に帰ろう=



虹色の楽譜の最初へ 虹色の楽譜 25 虹色の楽譜 27 虹色の楽譜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前