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虹色の楽譜
【女性向け 官能小説】

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「村松さん。君は何をしでかしてしまったか自覚はある?」

柳下さんが連れてきてくれたコンクールで
「この会場の設計は案外この席が良く聴こえるんだぜ」と
特等席を陣取り、奏くんの番になると
その素晴らしい演奏に、訳もなく涙が流れた。


「小野寺奏の演奏に君が・・・色を付けたんだね」

どさっと椅子の背もたれに寄り掛かった柳下さんが片手で額を抑えた。

「色のついた小野寺の音は、もはや国内の学生では敵なしだよ。
テクニックはもともと並はずれたものだった。
コンクールから干されても良く腐らないで練習を続けてきたものだな。
音感は天性のものだ。狂い様がない。
そこに―――。色のついた音。感情が湧きだせば、誰もヤツにはかなわない」

「・・・・」

「村松さんと、小野寺がどんな関係なのか知らない。
けどこのコンクールの優勝者は、ヨーロッパの好きな音楽大学に
スカラシップが与えられる。どういう事だか分かるよね?」

「スカラシップ・・・・海外への奨学金ですか?」

「そう。小野寺は日本から羽ばたくよ」
「・・・・」

全く考えなかったと言ったらウソになる。
ピアノをやる限り、一生日本にいる事はないだろう。

でも、留学なんて本当に上手いトップの学生だけの話だと思っていた。




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