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プラネタリウム
【ラブコメ 官能小説】

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J-2

「ヒナター!レールそっちー!」
午後2時。
遅めに帰宅した時には佐伯の息子……ヤスタカは陽向にゾッコンだった。

「ただいまー」
「おかえりー!」
「……ずいぶん楽しそーだな」
リビングのドアを開けるとテレビの前のテーブルは端に寄せられていて、カーペットの上は死ぬほど青く染まっていた。
「ヤスタカ君、トーマスが大好きなんだって!」
「へぇー、そう…」
「ヤスタカ!こっちの電車、向こうのレールに乗せようか!もっと楽しくなるよ!」
「ヒナタが言うならやるー!」
佐伯の息子……ヤスタカは陽向のことが相当好きなようだ。
店から連れて行った当初はそーでもなかったのに。

「おーい。陽向」
「…なに」
寝ぼけ眼で玄関に来た陽向は夜勤からの休みだった。
「この間言った佐伯さんとこの息子。俺、仕込み行ってくるからちょっとお願い」
「……わかった」
それから俺は家を空けた。
大荷物を背負った子供を置いて。

「…おはよう」
「おう」
「……おう、って結構勇気いる発言だね」
「お前の名前教えろよ」
「…ヒナタだよ」
「ヒナタ!遊ぼーぜ!」
ヤスタカは廊下を走るとリビングのドアを開けて「トーマスやりたい!」と叫んだ。
「ごめんね、うちんちトーマスないの」
「えーっ!じゃあヒナタ、トーマスやってよ!」
「ええー?!…ぁー、うーん。トーマスってどーやったらいーのかな?!…こう?」
陽向が四つん這いになるとヤスタカは大喜びで陽向の背中にしがみついて「しゅっぱーつ!しんこーう!」と雄叫びを上げた。
「…ぁゔっ!」
曖昧な記憶を辿りながらトーマスの歌を歌うと、ヤスタカは嬉しそうに「ポッポー!」と笑う。
重いけど、なんだかそれが嬉しくて、何度も繰り返す。
「ヤスタカくん……お姉ちゃん、疲れちゃったよ」
「だらしねーなぁ!コレだから女は……」
やれやれといったポーズを取る園児しかりこの男児を見て、怒りが湧き上がる。
なんなの、こいつ……。
その時ふと、目線の先に大掛かりな荷物が目に写る。
「…ってゆーかさ!その荷物見せなよ!」
陽向はヤスタカのどでかいリュックを指差して言った。
「なに?これ見たいの?ヒナタって人様の荷物気になる感じなの?」
「は…?」
その発言にイラつくが、ここでキレたら大人の基本的な常識としてありえない…と、思い「すごい見たい!ヤスタカくんのリュック大きくて立派だもん!中に何が入ってるのかなぁ?って気になっちゃうよー!見たいなぁー!」と感情を込めて言ってみる。
「しょーがねーなぁ」
ヤスタカはテクテクと荷物の方へ向かい、リュックのファスナーを開けると、自慢気に「見てー!」と声を上げた。
中には多量のレールとトーマスの仲間と思しき汽車の面々……。
「わー!すごーい!」
陽向は本気で驚いた。
どんだけ列車が好きなんだ…いや、男の子なんだから当たり前か。
それにしてもすごい量。
いくらぐらいするんだろ…。


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