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笛の音
【父娘相姦 官能小説】

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笛の音 4.-1

4.


 家には誰もいなかった。
 少し前に会社に辞意を申し出た。システム更改が業務総合試験に入ったら人手がいるだろうから、早めに言って次の要員を手配する余裕ができるよう気を遣った。叔父のツテで入社した会社だったが、上司たる管理職は強く引き止めはせず、あっさりと受け入れてくれた。なるべく有休を消化したい旨も特に抵抗なく了承を得た。
 なので今日は休んでいた。当然、信也は仕事。洋子は最近通うようになったカルチャースクールに出かけている。子供のころに習っていた書道を再び始める気になったらしい。というのは口実で、仲の良い近所の奥様連中と帰り途にカフェでおしゃべりをするほうが目的だと、何故かワクワクと目を輝かせてコッソリ教えてくれた。
 そして愛美もいない。
 だから家には誰もいない――筈なのに、愛美の部屋のドアを開けると彼がいた。
 ……久しぶり。
 仄笑を浮かべるフルートの彼は、有紗が部屋の中に入ってくるのを立ったままニヤニヤと眺めていた。有紗は部屋の中央に立って、両肘を持ったまま首だけを巡らせて部屋を見回し、少し思案した後、クローゼットへ向かった。ハンガーレール並ぶ衣装、半透明の衣装ケースに収められた下着や靴下、キャミソール。それらには手を触れず、膝を折り身を屈めて下段を覗いた。キーパーを入れて立たされたブーツが、数か月先の出番まで待機させられている。あのクロスケースには生理用品か何か入っているのだろう。あとは旅行に使うキャリーケースと並んで、もう使うことはないかもしれないバッグ類が並んでいた。
 キャリーケース。二つのスライダーがどちらもこちらに寄せられていて、後発は最後まで寄せ切れずに少し開いている。有紗はUの字の角までスライダーを開けた。どこかのショップのビニール製の巾着が入っている。手に取るとそれなりの重量があった。
 クローゼットの扉を閉めてベッドに座った。携えていた携帯を傍らに置き、巾着の紐を緩めると、予想通り中からはハンドタオルに包まれた長大なディルドが出てくる。確かにあそこに入れておけば洋子に見つかり辛い。
(私は簡単に見つけちゃったけどね)
 有紗は愛美の隠し場所を一発で見切ったことに、姉妹としての友愛を感じて微笑んだ。愛美がここにいて、『宝探しゲーム』と称して同じことをしたら、妹は姉に容易く見通されたことに、いつものとおり「もーっ」というふくれっ面、しかし端には自分に対する信頼を新たにした照れ顔を浮かべるのだろう。
 やれやれ、と彼は溜息をついて肩を竦め、外套を揺らした。だが血色のない口元は笑っていた。
 有紗はディルドの根元を両手で持って自分の顔の前まで差し上げる。
(直樹のより大きい……。こんなので『練習』になったのかなぁ)
 自分の顔の大きさを超えるのではないかというほどの勃起を前に、そんな下らない心配をしつつ、ゆっくりと口元を近づけていった。尖らせた舌先が触れ、手はそのままに顎を少し突き出すようにして根元からなぞりあげる。愛美が練習に使ったものだと知っていても不潔には思わなかった。遡っていく舌先が最後に亀頭の鰓にかかって弾かれ、唾液の微小な粒が飛ぶ。精巧に象られてはいるが、やはりそれは見た目だけのもので、幹に纏わされた怒張、背後に寄っていく皺、鰓の硬み、全て本物とは感触が異なる。有紗は長い睫毛の隙間から、目の前に屹立するディルドを改めて眺めた。そして彼のものを思い出す。高貴さは敵うわけもないが、頭の中で補完すれば、だんだんと目の前の偶像が彼と重なり、息が熱く、潤いを帯び始めた。その証拠に舌から流れ出ていく唾液の量が一気に増して、根元を握る指にまで垂れてくる。
 はあっと息をついて、口内に余る涎を呑み込んだ。一旦ディルドを置き、忙しなくファスナーを下ろしてコットンワンピースを頭から抜き取る。アウトレットで買った、カップとサイドに花柄をあしらい、フロントラインはシースルー、背後は大きく開いた赤いランジェリー姿になった有紗は、ディルドを再び手に取って愛美のベッドに仰向けになった。シーツからは愛らしい妹に相応しい、フローラルな香りがする。
 ディルドに頬ずりするように両手で顔の前に捧げて舌を伸ばした。頭の中で直樹に顔を跨がれて奉仕させられている自分を想像すると、内ももをすり合わせる奥で花園が震えた。もちろん直樹は、そんな快楽だけが目当てのセックスフレンドに相応しい、粗野で独りよがりなフェラチオを有紗に強制してこない。だが、もし彼がしたいと求めたら、喜んでさせてやろうと思うし、彼に肩に馬乗りになられ、手が使えず動けない状態で、玩具として扱われる口淫を施すかと思うと、妄想だけで更に体が潤っていった。
(もう一回これ着てって、してもいいよ、って言ってみようかな)
 このランジェリー姿を披露してやった時、艶姿に彼は衣装に負けないほど真っ赤になって、しかし男茎は正直で邪な反応を示してしまい、両方に恥じ入っていた。興奮してるんでしょ、とからかい、ショーツは脱いでもランジェリーとストッキングを残してヒップを揺すって誘うと、直樹は有紗に絡みつくように離れずに何度も抱いてくれた。


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