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笛の音
【父娘相姦 官能小説】

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笛の音 3.-7

 部屋に着くとカウチソファに座らされる。明彦が有紗を抱き寄せてくる前にバッグから携帯を取り出して信也に向け発信をした。
 明彦と会う。彼は知らないが、叔父にそう言ってやって来るということはつまり、こういうことだ。
「有紗ちゃん……」
 優しさを滲ませた声で名が聞こえきて、体の前を腕が回ってくる。腰を引き寄せられると側身が触れた。だがこれまで彼に感じてきた潤みはどこに行ってしまったのだろう、有紗の胸は悉く燥いていた。唇を吸われても、明彦の手がバストに及んで来ても、腹の中の軟泥はひとつも浄化されていかなかった。
「……あの」
 このまま身を任せていれば、どうなるというのだろう。夜景の前で、どちらの身穴も与えないと宣言したのに、こうやってまだなお愛撫を施してくる意図が分からない。「不満じゃないんですか?」
「不満?」
「……できないんですよ? 私と。……もしかして、こうやってイチャイチャしてたら、ひょっとしてひょっとするかも、って期待してますか?」
「いや、そこまで考えてないよ」
 明彦は有紗の頬にキスをして、「有紗ちゃんにこうやって触ってたら、そこまで冷静でいられない」
 それは自分の体に未練があるからだ。
「……でも、したいですよね?」
「そりゃね。でも、ガマンできる」
 この会話を電話の向こうの叔父はどう聞いているのだろう。まさか街に停めたベンツの中で、他の男に体に触れられる狂おしさに勃起した肉棒を扱いているのだろうか。そう想像すると思わず、
「ガマンしなくてもいいですよ? 明彦さんに本気で襲われたら、抵抗できないと思います。力じゃ敵わないですから」
 明彦に、というより、電話の向こうへ言っていた。何を言い出すんだと扱いている腕を止めて、気が気でなくなった叔父の姿。想像すると可笑しくなってきた。
「……そんな、襲ったりしないよ」
「でも、したいんですよね? ……私を濡らすことができるんですから、ムリヤリでも挿れたら、あとは思いのままかもしれませんよ?」
「そうしてほしいの?」
 冷静ではいられないとか言っていたが、研修の成果を駆使して、明彦は自分を見通しているのかもしれない。また有紗が自棄を起こして挑発しているんだなとおおらかに構え、本気でキスとペッティングだけで我慢し、年上の男としての体面を保ちたいのか。有紗はバッグから少し覗いているスマホを一瞥すると、黙ってソファから立ち、明彦の前に膝まづいた。股間に手を伸ばすと明彦が身を起こして有紗を押し返そうとしたが、制止が声となる前に蠱惑的な視線を向けて首を振る。お願い、と言うようにゆっくりとした瞬きをしたら、明彦は諦めたように息をついて背凭れに身を預けた。ズボンのベルトを外して前を開く。指が触れてピクリと身を震わせた明彦の下着を下ろし、勃起した立派な肉棒を取り出した。根元を持って竿を真上に向ける。
 向こうには会話が止んで、ガサゴソとした物音だけが聞こえているだろう。何が起こっているか分からずにきっと焦っている。
 脈動する度に亀頭を揺らしている男茎は、やはり長大だった。叔父の汚らしいそれと比べるべくもない。有紗は根元に添えていた指を幹へと這わせて中ほどを握りしめ、親指は裏筋の集約する場所へ添えた。グリップを緩やかに上下させる。
「い、いいの? 有紗ちゃん……」
「そんなこと言ってるくせに、やめさせようとしないじゃないですか。……してほしいですか?」
「あ……、ああ。……してほしいよ、そりゃ」
 汚泥が薄まり始めた気がした。クスリと笑って、有紗はもう一方の手を開いたズボンの中に差し入れて膨縮を繰り返している嚢を優しく揉みほぐした。すると先端からトロリと透明の雫が漏れてくる。
「……私で満足できなかったら、捨ててくれていいですよ? 我慢できなくなって、……他の女の人に走っても、恨まないです」
「んっ……、そ、そんなこと、しないって」
「でも私、これくらいのことしかできません。いつ、明彦さんとできるようになるかも分かりません。それまで待つつもりですか?」
 握る圧を強めて扱くと、明彦の腰がソファから浮き、雫垂れが幾つも幹を伝い落ちてくる。
 ――そうだ。
「それとも、……無理してでも中に挿れたら、平気になれるのかなぁ? ……明彦さんのコレ」
 叔父は有紗を羞恥に苦しめ、支配欲を満たしたくて電話で声を伝えさせている変態だ。だがそれを行うには、息を密めて物音立てず様子を窺っていなければならない。もしこちらに聞こえてくるほどに叫んでしまっては、名だたる大企業の部長職が養女と部下社員の情事を盗み聞きしていたとバレてしまう。有紗は口元から笑みが漏れそうだった。握りを調節して、指の間に、クチュッ、クチュッ、と鳴らしてやっているのが微かにでも聞こえているだろう。
 さて、私は何をしているでしょう……。
「……そんな有紗ちゃんに、ムリさせたくない」
「じゃ、これでいいんですか?」
「……、……あ、ああ」


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