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笛の音
【父娘相姦 官能小説】

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笛の音 3.-11

 鷲掴みにされたバストを潰さんばかりに握りしめられて痛みが走る。だがそれでも有紗は睨みつけるのをやめなかった。「……なにが、オシリ、ユルユルだっ……! お姉ちゃんはなぁ、そんなアバズレみたいなことを言う女じゃなかったんだぞっ。なんだ、その言葉遣いはっ……」
「ぐっ……、お、お母さんがどうだったかなんて、知らないっ。……ク、クソみたいな女だって思うんなら、もう、やめたら? 私なんかとこんなことするのっ……!」
「クソ!? ……うおっ、……クソだとっ」
 やおら髪を掴まれて頭を揺さぶられる。有紗は悲鳴を上げたが、車外の誰も気づいてくれなかった。投げ捨てられた拍子にドアに肩をぶつけて呻く有紗を放っておいて、信也は忙しなくベンツのエンジンをかけて乱暴に発進させた。
「しまった……、有紗をイヤラしくしすぎた……。森なんかの下らないデカチンなんか見せたせいで、俺の有紗がおかしくなってしまったんだ……。そ、育てなおさないと……」
 ブツブツと言いながら、前を安全走行している二トントラックにクラクションを鳴らし、川沿いの道は追い越し禁止車線なのに追い抜いていく。有紗はシート身を預けて、わざわざハザードを焚いて脇に避けた気の優しいトラックの運転手へ義父に代わり頭を下げた。叔父が独呟を繰り返して発狂しそうになっている。死なないのなら狂ってしまえばいい。だが狂人の運転する車に乗っているのは危険だ。いよいよ危なくなったら、信号に停まっている間に外に逃げよう。私は死にたくない。
 何故、死にたくない――? 明日死んでも構わない生き方ができていないから? 何故、それができない?
「くそぉっ! どこだ、ラブホはっ……! 早く有紗を……! 早く、有紗に俺のチンポをジュボジュボして、お姉ちゃんみたいな素晴らしい女に戻さなきゃっ……」 
 あ、いけない、と思った時には、今、決して考えてはいけない事柄が有紗の心の隙に流れ込んできた。七年前この邪漢に姦された。それもただ密通したのではない、この上もなく淫穢な暴虐に遇った。
 しかし死ななかった。――大好きだった彼氏と別れなければならなかったのに、死ねなかった。
(愛美……)
 妹のために淫行を受け入れざるをえなかった。心の傷が癒え、可愛らしい笑顔を浮かべることができるように、そして将来の夢のために希望する大学まで進むことができるように。その間、叔父は吐き気がしそうな劣情と、美しいままこの世から去った母への邪心を思うがまま全身に浴びせてきた。もう七年も経つのだ。愛美は大学を卒業した後まで見据えて、今は英会話に励んでいる……。
「あったっ、あったぞ! 有紗っ」
 黄色から赤に変わったのに交差点に進入して、数台からクラクションを鳴らされたが、叔父は気にも留めずベンツをラブホテルに入れた。前入れで停め、エンジンを切る。車内に聞こえてくるのが叔父の鼻息だけになったかと思うと、
「有紗っ!」
 信也は有紗の頭を鷲掴みにして運転席の方に引き寄せ、上から押さえつけて屈ませてきた。憂愁に絡められそうになって油断していた有紗が、抵抗の意志を示そうとした時には、近づけられた股間のジッパーが開き、臭い立つ男茎が取り出されていた。
「しゃぶれっ! ……森のチンポもしゃぶったんだろっ、おおっ!?」
「し、してないってっ……!」
 後頭部を押されて、鼻筋に灼熱の先端が押し付けられる。吐き気のする臭気に苛まれる有紗を、両手を使って更に上から力を込めて股間に押し付けてくる。
「おらっ、早くしゃぶるんだっ! 森のチンポなんかなぁ……、お父さんのおちんちんに比べたら下らないっていうのが分からないのかっ。……有紗は俺のものだっ、……か、勝手なことするんじゃない」
「……っ、く、くっさいっ! やだっ……!!」
 外にまで聞こえる声を上げても、叔父は狼狽えることなく、男茎を口に含まない有紗に苛立って、腰を突き上げ顔を汚してくる。
「有紗の手も、オクチもっ……! お父さんのものだっ。勝手に他の男のチンポに触れるんじゃないっ。与えていいのはオシリだけだと言ったろっ!」
 ――馬鹿かこの男は。だが、叔父の妄言を聞いて、興った優越感はすぐに鈍く色を変えた。
 お前のものではない。私の体は、いや体だけではない、全ては直樹のものだ。そう勝ち誇った瞬間、さっきまで潰されそうになっていた憂愁と侮蔑が重なった。
 違う、今は、違う――。
「この美しい顔もぉっ……、お姉ちゃんにそっくりな顔も、全部だっ……」
 息荒く、革シートに擦れる音を立てて猛然と腰を振ってくる。熱く汚らしい肉の塊が鼻筋に沿って擦りつけられてくる。七年も、この卑しい野獣に喰物にされてまで守り続けた妹が、自分の全てを与えた男の、その彼の全てを手にしている。
(いやだっ……!)
 誰のためにこんなことをさせられているのか。そう考えそうになって、有紗は亀頭により擦られようとも、かぶりを振らずにはいられなかった。
(直樹っ……、直樹っ……)


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