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笛の音
【父娘相姦 官能小説】

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笛の音 2.-4

 やはり涙は直樹から見えていた。有紗は薄闇の向こうの直樹へ必死に繕った嘲る貌を向けた。
「直樹……、ほんとにヤバいよ? それ、ストーカーの発想だから。もうさ、直樹は……」
「別れるよ、愛美とは」
 有紗の諭しを打ち切って直樹が被せてきた。「言った通り、別れる。ちゃんと別れて有紗さんと……」
 そしてどうするつもりだ、という激発に導かれて、有紗は力いっぱい腕を振るって掴まれていた手を切ると、その身の振り向け様に平手を直樹の頬に叩き込んだ。
「やめて。愛美を泣かしたら……、絶対許さない」
 普段からハスキーな声を、更に低く濁らせて言った。ダメだと思っていても瞳が潤んで視界が歪んでくる。この涙は、本当に妹が悲しむことを憤ったものなのか? そんな懐疑を隠して睨みつけていると、直樹は頬を張られた顔を横に向け、有紗と視線を合わせぬまま、
「知らなかったんだ。……ほんとに。愛美が……、有紗さんの」
「まぬけ。……私の新しい苗字くらい憶えといて」
 養女となって変わった姓を茨城を離れる前に直樹にちゃんと教えた記憶がないが、そんなことはどうでもいい。
「……有紗さんじゃなきゃイヤなんだ……。ずっと好きなんだ、簡単には忘れられない」
 直樹は悲痛な声で言った。違う、騙されてはいけない。フルートの彼の仕業だ。私は妹を守らなけばいけない。
「ふざけんなっ、私の妹を馬鹿にしないでっ」
 しかしいくら自分に言い聞かせても、直樹の呻きに有紗の胸は締められた。やはり、まだ、――七年前の記憶と七年間の郷愁は容易に彼を幻滅させてはくれない。
「……ね、お願い。愛美と幸せになって? あの子のほうが、ずっといい子だよ? こんなお姉ちゃん、なんかより」
 有紗は唾を飲み、震える息で体内の沸騰を押し込みつつ、「……た、……たとえ、私の代わりに付き合ったとしても、きっとすぐ、本気で、……あの子のこと好きになっちゃうから」
「……でも愛美は、有紗さんに似てない」
 第二の激昂が有紗を襲い、振りかぶると手加減なく渾身の力で直樹の頬をもう一度はたいた。
「誰かに似てるとか、そんな目で女を見んなっ!!」
 近所に聞こえたかも知れない。有紗は直樹を置いて自宅への角を曲がって走っていった。




「愛美に男ができたらしいな」
 背後から信也が密着してきて、有紗を強引に自分に凭れさせてきた。湯をたっぷり張った風呂の中だと、不快なニオイが湯気のせいで物質化したように身肌に粘りついてくる。信也の手が背後から回って、手持ち無沙汰に弄い触るような手つきでバストを揉み回してくる。身を離したかったが、湯の中で背中には弛んだ腹が、そして腰には男茎が当てられ、有無を言わせぬ力で抱き止められて固められていた。ラブホテルに入るなりしゃぶらされ、有紗の唾液の滑りだけで、まだ乾いていた脚の間に無理矢理捩じ込むと、暴虐に酔いしれながら早々に最初の毒汁を放ったのに、もう男茎が硬度を取り戻しつつある。
「母さんが教えてくれた。……有紗も知ってたのか?」
「……ん、まぁ」
 曖昧な返事をする有紗をバストごと抱きかかえ、湯撥ねの音とともに更に背後から男茎を肌に擦りつけてくる。
「大学に入ったばかりなのに、さっそく男を作るなんてあの子もやるじゃないか」
 一旦口を結んで鼻から息を漏らした信也は、湯舟の中で有紗を少し持ち上げると伸ばした脚に乗せ、ヒップの狭間に男茎を沿わせてきた。「そのキレイな脚で挟んでくれ」
 仲睦まじく同じ湯舟に浸かるなどという嫌忌すら逃れ切ることはできなかった。この男にどう反駁しても、こうしてホテルに入ってしまった以上無駄だ。有紗は柔丘に不浄の肉棒が挟み込まれる感触に眉間を寄せつつ、内股になるように脚を締めた。
「……もう、愛美も処女じゃなくなってるかなぁ。……なぁ? 有紗」
 若さによる肌の張りだけでなく、有紗ならではの滑らかさに、うっとりと唸って息を震わせ、湯舟の水面を波打たせて腰を揺すってくる。傘の縁が柔門を擦り、湯の中を見下ろすと下腹を彩る翳りから亀頭が引っ込んでは突き出されが繰り返しているのが歪んで見えた。叔父の問いには何も答えない。頭の中に蔓延ってくる愛美と直樹を邪淫の鈴口を憎むことで振り払おうとした。
 ――家の前で直樹を振り切って、なるべく静かにドアを閉めながら腕時計を見ると日付が変わっていた。
「どこへ行ってたんだ?」
 不意に声が聞こえて驚き、顔を上げると叔父が腕組みをして玄関先で見下ろしていた。もしや直樹と揉めていたところも見られたか、と危ぶみながら、
「……ごめんなさい、遅くなって」
 と、もしかしたら洋子も愛美も起きているかもしれないから、いや、寝ていたとしても起きるくらいに声を大きくして言った。
「連絡しなきゃ心配するだろ。ん? 有紗らしくもない」
 どうやら叔父も同じく家族の耳が気にかかるらしい。
「うん……ちょっと、今日は連絡取りづらくて。……でも、気をつける。本当にごめんなさい」


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