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浦和ミュージックホール
【その他 官能小説】

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里美のステージ-1

 「元○○クラブ会員、アイドルフェイスの里美」
 これが里美のキャッチフレーズだ。
 「元○○クラブ会員」と言う看板に偽りはない、○○クラブと言うのは一世を風靡したアイドルグループ、里美は間違いなくその一員だった。
 しかし「アイドルフェイス」の方はちょっと違うように思える。
 可愛くないわけではない、人一倍整った顔立ち、彼女を見れば十人が十人とも美人だと言うだろう、しかしアイドルフェイスという言葉から連想する華やかな雰囲気はない、むしろ和服が似合いそうな落ち着いた雰囲気を持っている美人なのだ。
 里美は○○クラブには一期生として加入した、しかし一度もいわゆる「センター」に立ったことはないし、ソロパートすら与えられたことはない、○○クラブ会員になれる美貌は備えていたがスターにはなれなかった、いわばバックコーラス兼バックダンサー、それが○○クラブでの里美の定位置だった、そして○○クラブには次々と新しいメンバーが増えて行く、その度に里美はだんだんと端に追いやられ、ついには居場所を失ってしまった。
 ○○クラブを脱退して一応ソロデビューもしたのだがほとんど売れず、やがてAVに、そしてストリッパーへと転身してきたのだ。
 それがリリーから聞いた里美の経歴だ。
 もちろん、リリーは悪意を持ってそれを話したわけではない、『あんなに奇麗なのに運がなかったのよね』と言ったニュアンスで話してくれたのだ。
リリーにとっては芸能界からAV、AVからストリッパーという道筋も「落ちて来た」とか「流れて来た」といった意識はない、元々色々な事情を抱えて入ってくる娘が多い世界、過去の事を取り上げて蔑むと言うような事はないのだ。
 


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