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夢を見るころ
【女性向け 官能小説】

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「俺たち先に上がるわ」

私の手を取って、篠塚さんが立ち上がってそう言うと
「まだ早いですよ〜」
と、声が飛ぶ。

「悪い。これからデート」

柔らかい笑顔でそういえば
その笑顔に数人がびっくりする。

私のイメージはいつもこっちなんだけど。

お店を出るとまだ少し夜は寒い。

大きな道路に出る前に
自然に抱き寄せられてキスをする。

「今日、会えてうれしかった」

素直にそんな風に言われたら、こっちは何も言えなくなる。

「もう少し一緒にいたい」

私だってそれが分からないほど
経験がないわけじゃない。

「私、まだ篠塚さんに本気じゃない・・・」
「それでもいいって言ったら?」
「・・・・」
「みんなに聞いた俺の会社でのイメージでこれ以上近づきたくないと思った?」

それは・・・思わなかった。
むしろ、そんな男が私にだけ優しいことに嬉しくなる。

「夢は他に好きな男がいるの?」
「いないけど・・・」
「なら問題ない。近いうちに俺が本気にさせるから」

なんなの?その自信は?
次の瞬間、篠塚さんがキスをして舌を入れてくる。

夢中になってそのキスに答えていたら
不意に顔を離して
私の頭を自分の胸にかき抱いた。

「ごめん。夢中になった。外だって忘れそうになった」

ほんの少し荒くなった息とは裏腹に
抱き寄せられた心臓の音は私と同じぐらいの速さで鳴っていた。

「俺の部屋に行こう。夢が本気じゃなくても構わない」

顔を上げて視線で合図する。
私のその顔を見て篠塚さんは少し恥ずかしそうに笑ったあと
大通りへ出てタクシーを拾った。




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