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笛の音
【父娘相姦 官能小説】

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笛の音 1.-30

 自分で言ったくせに――、明日死んでも後悔しないで追いてきてくれることを期待したくせに、はにかみながら言った有紗へ直樹は何も答えなかった。代わりに腕から離れた有紗をもう一度自分のほうへ引き寄せてくる。有紗は真顔に戻って直樹の腕の中に入った。二人っきりになって、気兼ねなく抱きつくと、衣服の中で肌が騒めく。直樹が顔を寄せてきて、心臓が突き破られそうなくらい強く打った。
 唇が触れた瞬間、背中を爽感が走って膝が折れそうになったが、直樹の腕に力強く支えられていた。唇ではまれる度に、崩れ落ちそうになって身を震わせるのが恥ずかしい。
「彼女の話はしないでいいよ」
「なに、それ……、都合良すぎ」
「有紗さんも彼氏の話しないで」
「それも、勝手だし。私の……」
 言い終わらないうちに唇を塞がれた。小鼻を膨らませて、肩口に置いていた手を首に回すと、彼の上躯に密着する心地よさに頭が痺れていった。茨城を去る前に、公園の街灯の下でこんなキスをした。大好きだよ、と言われて、直樹に力いっぱいしがみついて。長い時間、直樹の唇は離れなかった。唇を触れ合わせたまま抱きかかえられ、支えられながら数歩後ずさりし、寝台の上に座らされてもなお離れていかなかった。隣に直樹が座り、横抱きにされた有紗が彼の二の腕を握ると、直樹の手が髪を掬ったまま項から後ろ頭を引き寄せ、更に唇を強く押し付けてきた。唇の狭間を舌先が突ついてくる。途端に唾液が口内に溢れてきて、おずおずとしていた思春期の時さながらの口づけが、有紗が舌で迎えることで月日の流れを感じさせるものに変わった。
「……んっ」
 後ろめたい湿音が一際大きく鳴って、舌先を直樹の唇に挟まれた瞬間、ビクンッ、と有紗の体が直樹の腕の中で跳ねた。唇に糸を引きながら僅かに離れ、間近に不思議がる顔で覗き込まれる。潤みを帯びた黒目の中に、小さな自分が映っているのを見ていると、耐え切れなくなって有紗は再び直樹の唇に誘い込まれた。懇ろに舌先が唇に触れてきて、おびき出された舌を優しく吸われる。唇を僅かに絞りながら舌を吸われる度に、有紗の体は跳ね、攣縮する体を抑えるように抱く手が強められる。
「……大人のキス。するようになったんだね」
 部屋に睦みだけが何度も響いたあと、有紗が小さく囁いた。
「大人?」
「前にしてた時は、もっと純情なキスだった」
「今も純情だよ」
「ちがうよ。だって……」
 髪の中で後ろ頭を撫でられて、背中の中心線を清爽が走って身をくねらせた有紗は、二の腕から離した手を直樹の頬に差し伸べて、爪先で男とは思えない麗しい肌をなぞった。ピタリと脚を綴じ合わせると、スカートの中の熱さがよく知れる。直樹の腕の中で身を跳ねさせていたのは、舌先を吸われただけで、何度も奥から悦びの雫が漏れていたからだ。「……直樹」
 だって、の続きは言わず、目で訴えると、直樹の顔がまた近づいてきた。七年分してもらいたい。それでも足りない、と思っていると、狭い寝台に座って斜めに揃えている両脚の膝の裏を持たれ、彼の体の上に抱え上げられていった。
「キスばっかりしてたら、……時間なくなるよ?」
「うん……」
 そう言ってもまだ唇を吸われる。「……今日、有紗さんを抱きしめることができるなんて、思ってもみなかった。頭がおかしくなりそうだ」
「んっ……」
 それは自分も同じだ。ずっと髪の中で広げた手のひらが頭に触れられていて、その安らぎに溶けていきそうだった。そして、有紗のヒップを脚の上に乗せて横抱きにしたまま、もう一方の手が膝から離れて脚を撫でてくる。跳ねる有紗を固く抱きしめ、跳ねる理由が分かっているだろうに、指先がウエストから脇腹まで遡ってくる。
「な、直樹……」
「……ん?」
 悶えた拍子に窮屈な体勢のまま両脚がすり合って、スカートの奥で小さく卑猥な音が立ったのが肌を伝わってきた。きっと物凄く濡らしてしまっているのが感覚で分かる。
「ぬ、脱ごうよ、服……」
「ん」
 そう言うと直樹の指が首下でボタンを留めたラウンドネックのカーディガンに伸びてきた。
「ちょっ……、自分で……」
 ボタンを外す手首を取ってそう言おうとしたら、唇を塞がれて手を直樹の首に戻された。頭の手が背に降り、支えられる体勢で見つめられ、恥ずかしいと一度思ってしまうと、全身が燃えそうなほどの甘い羞恥に襲われる。部屋が明るい、と言いたいが、自ら直樹の舌先を退けて離れることができない。キャミソールの裾がスカートから引き出されていく。このまま服を脱がされていって、スカートを降ろされたら、淫りがわしい場所を明るい中で見られてしまうから、
「やっ……、んっ……、ま、まっ」
 待ってと言おうとした。スエードフレアの鉤ホックに指がかかるのを避けようと首から手を離す直前に、予想に反して直樹の手がキャミソールの中に入り、ウエストの肌に直接触れてきた。有紗は唇の接面に高い声を洩らして、その首にしがみつき続けなければならなかった。肌に騒めく鮮烈さはカーディガンの上から触られていたのとは雲泥の差だった。必死に首にしがみついていなければ、寝台の上から転げ落ちそうだ。そうしている間にも、今でさえ恥ずかしいのに、更に脚の間の中心に新たな熱い蜜汁が漏れてしまう。


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