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笛の音
【父娘相姦 官能小説】

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笛の音 1.-2

「いっぱいしなくていい」
 信也は意図的に咳払いをしてみせ、「しかし、まずはキチンとした『大人の女』ってやつにならなきゃ、男も寄ってこないけどな」
「うー」
 父の暴言に唸った愛美はオレンジジュースを一気に飲み干すと、両手で持ったコップを差し出した。「じゃ、さ、ワインちょっと飲ませて」
「こらっ、ちょっと、愛美――」
 有紗は眉を顰めて隣の妹を制そうと腕に手を置いたが、信也は鼻息で笑ってからボトルを愛美のコップへと傾けていく。
「じゃ、ちょっと飲んでみろ」
「ちょ、愛美は未成年……」
「えー、どうしたのー、おねえちゃん。急にそんなマジメ」
 調子に乗っちゃだめ、と妹を一瞥してから正面を向いたが、信也も洋子もニコニコとしていた。
「家族の食事なんだし、家の中なんだからいいじゃないか」
 反対しているのは有紗一人だったから止めようがなかった。愛美はコップに鼻を入れて注がれたワインの香りを嗅ぎ、両手で持ったまま少し傾けて舐めると、うえ、と顔を歪めた。その様子を父母が笑う。
「大人の味はまだ早かったか?」
 信也にからかわれ、そんなことないもん、と言って、もう一度コップを傾けて何口かを飲み込む。あらあら無理しちゃダメよ、と言う洋子に対し、
「酔いつぶれても家なら大丈夫だろ。……どれくらい飲めるのかが分かってないと、大学の飲み会で狼どもの前で酔いつぶれるかもしれないからな」
 信也は微笑みのまま悠然と見守っていた。
 アルコール耐性が無い上にペースもよく分かっていなかった愛美は、大した量でもないワインで完全に酔いが回り、家族に祝われている喜びもあったのだろう、呂律の回らない声で、ありがとう、ありがとう、と父母と有紗に何度目か分からぬ礼を言いながらフラフラと立ち上がり、すぐ傍のリビングに据えられている大きなソファに突っ伏すと眠り始めた。寝言でもまだ礼を言っている。
「もうっ、愛美……」
 有紗が呆れて妹を起こしにかかろうとすると、
「ま、今日はいいだろ、なぁ?」
 信也はグラスに残っていたワインを飲み干して洋子の方を向いた。
「そうね……、こうして見ると、有紗ちゃんに比べたら、ほんと子供」
「ごめんなさい」
「なんで有紗が謝るんだ」
 信也は笑ってから、さて、と息をついて立ち上がった。「少し、仕事してくる」
「あら、今から?」
 洋子が食卓の皿を下げ始めながら言うと、
「ん、ちょっと明日までの仕事を残してきてね。今週末経営会議だってのに、経理の奴ら報告を今日まで延ばしてやがったんだ。やれやれだよ」
 と肩をすくめた。そしてまだ食卓に座っている有紗へ注いだ二杯目のワインがそのまま残っているのを見て、
「ん? 飲まないのか?」
 と問うた。俯いていた有紗は不意の挙動で立ち上がると、目も合わせず頷いただけで、皿を重ねて母を手伝い始める。
「……なら、有紗」
 ポケットに手を突っ込んだまま、信也は身をかがめて皿を集めている有紗を見下ろし、「ちょっと手伝ってくれ。明日は朝から会議だから今日中に終わらせたいんだ」
 その言葉を聞いた瞬間、有紗の肩が跳ねた。キッチンに入っている洋子の目には入らない。
「なあ、いいだろ、母さん?」
 有紗を借り出すと、後片付けを一人でやらなければいけなくなる。有紗は洋子が自分のほうを手伝って欲しいと主張するのを願ったが、
「自分がやり残した宿題を娘に手伝わせるなんて、ひどいパパねぇ。有紗ちゃん、ちゃんとパパにお給料請求しなきゃダメよ」
 と、食べ残しにラップをしながら言う笑い声が聞こえてきた。皿から手を離し、緩慢に身を起こして正面を向くと、信也が笑っていた。さっきまでの団欒の中での笑顔ではない、黒目の中に好虐の底光りが見える。
「娘のお祝いを優先した結果さ」
 有紗を見つめたままキッチンに向かってそう言って、じゃいこうか、と触れてきた信也の手のひらの感触も、服の上からなのに絡みついてくるような不快感を催さずにはいられなかった。背中に添えられた手で押されて廊下を歩いて行く。階段では追いてくる信也の手がスカートの上からヒップに触れてきて、有紗は後ろ手で払いながら昇った。書斎のドアを有紗の手で開けさせられ、背を突かれて部屋に入れられると鍵がかかけられる。
「……今日は、やめて」
 明かりが点いても入った所で立ち尽くし、本とトロフィーが並ぶ書棚のガラス戸に映る自分の姿を見ることができず顔を伏せると、背後の信也に震える声で言った。
「なぜ? んー……?」
 密室になるや信也の声色が気色悪い、欲情して粘着質なものに変わる。添えられていた手が有紗の若い肌をカットソー越しに味わうようにゆっくりと降りてきて、スカートのウエストで見事に引き締まっているが、そのクビレに絶妙に残されている張りある腰肉の柔らかみを撫で回してくる。
「……」
 悪寒を感じて身を捩ったが、有無を言わせぬ手遣いを前に黙って体を摩られ続けるしかなかった。


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