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笛の音
【父娘相姦 官能小説】

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笛の音 1.-11

 ジュエリーショップのショーウインドウを憧憬の眼差しで眺めていた。ダウンライトに照らされるゴールドの煌びやかな光を眺める心嬉しさは、側身にゾワリとした寒気を感じ、それが背後から近づいてきた叔父が発するオーラだと気づくと一気に消えた。
「んー? 有紗もオトナっぽくなってきたからなぁ。こういうモノに興味があるんだな」
 そう言って有紗が見ていたアクセサリーを覗き込み、背後に手を回し肩を抱いた。ひっ、と悲鳴が出そうになった。すぐに身を起こして店を出たが、オープン間もない螺旋通路は人が犇めき合っている。
「はぐれたら大変だ」
 そう言って叔父は、少女から変容し始めた歳頃の有紗の腰に手を回して、密着しながら歩いてきた。触れられる感覚は、明らかに色欲に塗れている。せっかく入場制限を待つ長い列に並んで入ったのに、ただただ叔父の手から逃れたくて、ほとんどの店舗を見ずに外に出た。
 嫌な思い出が鮮烈に残っている叔父だったが、神妙な顔で姉妹の行く末を案じ、養子になることが極めて穏当であると説いてきた。元々は営業とし最前線を務めてきたから、人を説得することに長けていた。有紗はともかく、愛美はまだこれから中学、しかるべき保護者が必要だ。叔父の家には充分な資産があり、唯一の近親である有紗たちのためにそれを充てることに何のためらいもない。二人を立派に成人させたいと本気で考えている。叔父は切々と有紗に言い聞かせてくる。
 有紗が高校を辞めて働いたとしても、愛美を充分に育てることはできない――。叔父の言う通り自分はともかく、愛美だけはこれ以上不幸な目に合わせたくないと考えていたし、真剣に話す叔父の様子を見るにつけ、あの時触れられた不快感は近親によるたかがのスキンシップで、自分のほうが意識しすぎて勘違いしてしまったのではないかとさえ思えてきたから、最後には決断して養子縁組を結んだのだった。
 養女となったことで変わるのは苗字だけではなかった。叔父は住吉に夫婦二人暮らしには広すぎる戸建てを構えていた。東京だ。充分な部屋があるから心配いらないと言う。もうすぐ四月、編入するならば期初からの方がいいと、叔父が紹介した私学は試験もなく成績証明書だけで編入が適った。急に東京へ引っ越すことに抵抗はあったが、愛美も系列の中学に編入手続きが取られ、そこは校風良く教育レベルが高いと言われる学校だった。しかも、しばしば悪夢に魘されて不眠の症状が出ていた愛美のために、カウンセリング診療も手配してくれている。妹のことを思うと受け入れざるをえなかった。
 直樹にメールすると、すぐに会いに来てくれた。夜遅くに家を抜け出し、公園の街灯の下に直樹の姿を見つけると自然と足が駆けて胸の中へ飛び込んでいた。長い時間、愛美を家に残しておくわけにはいかない。早く戻らなければいけない。しかし父が死んでからずっと触れることができなかった直樹に触れ、胸の中で彼の香りを嗅ぐと、一気に哀しみが溢れ出てきて声を上げて泣いた。父の死の哀しみを顕に見せたのは直樹だけだった。背と頭を撫でられて哀号が治まってくると、有紗は東京へ越してしまうことを直樹に告げた。単なる大人の都合による引っ越しなどではない、有紗がそうしなければならぬ境遇に陥ったことを充分理解していた直樹は、涙の垂れる頬に唇を押し当てて、
「絶対会いに行くよ」
 と囁いた。
「ごめんね……」
「なんで謝るの? 東京なんてぜんぜん近い」
「遠いよ。二時間もかかる」
「二時間なんてなんでもない」
 抱き寄せられて、「有紗さん、大好きだよ」
 その言葉を聞いて、愛しみのこもった唇で塞がれながら、有紗は直樹となら遠距離恋愛だって乗り越えられると思った。そう信じた。
 馴染まない表札がかけられている家に住み始めた。まずは父の死を受け入れ、自分が完全に立ち直らなければならないと改めて思った。すぐには受け入れられないだろうが、それでいい、養父母はそう言ってくれた。しかし愛美は笑顔が戻り始めたものの、まだまだ気は抜けない。新しい家でも、不意に泣きだして取り乱し、そういった時は洋子が一緒に寝てくれていた。そこに加えて自分まで負担になりたくはなかった。自分たちを引き取ってくれた叔父夫婦に早く報いなければと思った。
 新しく通う高校の制服を取りに行った。愛美もまた洋子に付き添われて朝から手続きに出かけている。学校指定の店舗で採寸通りに仕立てられたかを確認するために着替えた有紗は、茨城で通っていた高校のものよりもずっと可愛らしいデザインの制服が気に入った。
「丈詰めしてあげよっか?」
 鏡の前で身を翻して確認していた有紗に、店のおばさんが耳打ちした。
「いいんですか?」
「あなたの学校、そんなに厳しくはないからね。どうせみんな短くするんだから。……女の子だもん、カワイクしたいわよねぇ」
 おばさんは手際よくグレーのスカートの丈を詰め、再度脚に通した時には、膝頭はもちろん、太ももも半分露出していた。「東京は階段が多いから、後ろとか気をつけなさい」


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