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夢を見るころ
【女性向け 官能小説】

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案の定、私のほうが早く着いて奥の席を陣取る。
ここに来る途中で先輩とお風呂屋さんに寄ってきたからさっぱり。

洋服はうちのシリーズの夏物を買ってロッカーに入っていたのを着た。
「あ。うちの新作ね。デート?」
なんて先輩にからかわれて
違いますから。と強く否定した後に
デート・・・かな?
なんて思ってしまった。

久しぶりに小奇麗になった自分にすっかり満足して。
あいつはきっと残業だろうと先にビールを注文した。

ビールが目の前に来たのと同時に
篠塚さんが私の目の前の席に滑り込む。

「待った?」

軽く走ってきたのか、春物のコートを手にかけて
それでも汗をかいた首元に風を入れるために
ネクタイを緩めて第一ボタンをはずした。

腕時計を見ると8時を少し過ぎたころで
「こんなに早く来るとは思わなかったから」
と、目の前のビールを言い訳した。

「いいよ。先に飲んで」

ふーっと暑そうに汗をぬぐう。
お店の人に「生!」と注文をした篠塚さんに
「いいよ。待ってる」
といったら、私をじっと見つめて
「いいよ。おいしいうちに飲みな」
とにっこり笑う。

「待ってる」
「そうか」




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